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2020.03.30.Mon / update:2023.12.09

外国籍の子どもの17人にひとりが学校に通っていない

小学校の教室。子どもたちが授業を受けている様子を窓の外から羨ましそうに見ている外国人の少年

日本に暮らす外国人のうち、6~15歳の義務教育に相当する年齢の子どもの数はおよそ13万7,000人。そのうちおよそ6%にあたる約8,000人の子どもが「不就学」の状態にある可能性があることが2021年の文科省の調査でわかりました。不就学とは、国公私立の小・中学校はもとより、外国人学校などにも通っていない状況のことを言います。17人にひとりが、学校に通っていないのです。

日本も批准する「児童の権利に関する条約」では「すべての子どもたちに、平等に学ぶ機会」が掲げられていますが、日本の社会制度はそれを十分に実現できていません。
日本国憲法のうち義務教育について書かれた第26条では、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」とし、子どもに「教育を受ける権利」を保証するとともに、保護者に「義務教育を受けさせる義務」を定めています。しかし、文部科学省の見解では、義務教育の対象は「日本国民」に限られ、外国人は含まれていないのだそう。外国籍の人は自ら希望しない限り、就学の機会を与えられないというのです。

我が国においては、外国人の子の保護者に対する就学義務はありませんが、公立の義務教育諸学校へ就学を希望する場合には、国際人権規約等も踏まえ、その子を日本人児童生徒と同様に無償で受け入れているところです。

文部科学省のwebサイト『13. 外国人の子等の就学に関する手続について』より

過去の数字は?

外国籍の子どものうち、6人に一人が学校に通えていない
日本に暮らす外国人のうち、6~15歳の義務教育相当年齢の子どもの数はおよそ12万4,000人です。2019年に文科省が行った調査で、そのうち15.8%にあたる1万9,654人の子どもが「不就学」の状態にある可能性があることがわかりました。 不就学とは、国公私立の小・中学校はもとより、外国人学校などにも通っていない状況のことを言います。本来であれば義務教育を受ける年齢であるにも関わらず、6人にひとりの子どもが学校に通っていないのです。

この問題に取り組んでいる団体

文部科学省が運営する帰国・外国人児童生徒教育のための情報検索サイト。各地の教育委員会等が公開している多言語による文書が検索できたり、日本語指導のための教材等を検索できる。

NPO法人青少年自立援助センターが行っている、海外にルーツを持つ子どもと若者のための専門的教育支援の事業。東京都福生市を拠点として、数十カ国にルーツを持つ6才~30代の子ども・若者たちを年間100名以上受け入れている。

ライター:伊東光穂

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