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2020.02.03.Mon / update:2020.03.04

6カ月以上収容されている外国人、679人

外国人収容施設に長期勾留されている外国人

在留資格がない外国人1,253人が、全国9ヶ所の「外国人収容施設」に収容されています。そのうち半数以上の679人は6ヶ月以上の長期被収容者です。長い人では7年もの間収容されているのだそうです。(2019年6月時点)
長期被収容者の人数は上昇傾向で、その数は2013年から2019年までの6年間で2.5倍にも膨れ上がっています。
こうした長期間の収容実態が、人道の観点から問題があるとして、日本の制度が国内外から批判が相次いでいます。

収容施設とは、在留資格がない外国人が母国へ帰還するまでの間、一時的に滞在する施設のこと。不法滞在、不法入国が確認された人のほか、危険な状況から逃れてきた難民申請中の人たちが収容されています。
日本の収容施設では、EU加盟国と異なり、収容期限が定められていないことや、一時的に拘束が解かれる「仮放免」の適用条件が厳格化されていることから、長期被収容者が増加していると言われています。

近年、こうした長期収容に抗議し、「仮放免」を求めるためのハンガーストライキが、全国の施設で実施されています。収容されている外国人たちが、食事を拒絶し、抗議の意思を示しているのです。
命がけの抗議活動による死者も出ています。2019年6月、長崎県の「大村入国管理センター」で、半年間にわたりハンストに参加していたナイジェリア人男性が命を落としたのです。

外国人収容施設での人権侵害は長期拘束だけではありません。入管職員による被収容者への「暴行」が行われたり、生活すべてが監視カメラで監視されたり、病気にかかっても医療機関の受診や薬の服用を許可されないなど、人道上の問題点は多々指摘されています。

こうした日本の外国人収容の実態に対して、国内外からの批判が続いています。
国連の人種差別撤廃委員会は施設の実態を「残虐」であると非難し、複数回にわたり日本政府に勧告を言い渡しています。
国内でも、日弁連が憲法や自由権規約に反しているとして「収容期間は原則として6カ月を限度とすべき」との勧告を出しました。

この問題に取り組んでいる団体

在日クルド人と日本人の相互理解の促進を目的に活動しているNPO法人。日本にいる難民の実情や、入管施設の実態を伝える企画展や講演会を行っている。代表の松沢秀延さんは職場でのクルド人との出会いがきっかけとなり、2003年同団体を立ち上げた。行政手続きの支援や教育医療のサポート、被収容者の面会も続けている。

「難民が新たな土地で安心して暮らせるように支え、ともに生きられる社会の実現」をミッションに掲げる。日本に逃れてきた難民が保護され、受け入れられる社会を目指し法的支援から生活支援、政策提言まで幅広く活動している。

日本を本拠とする日本初の国際人権NGO。2006年に発足して以来、紛争や人権侵害のない公正な世界を目指し国連への働きかけも行う。2019年10月に入管施設における恣意的収容の廃止及び法的改善を求める声明を発表した。

イラスト:りーさん

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メディア系会社員。大学卒業間際の留学とインターンを機にライターを志し、現在修行中。興味があるキーワードは、”共生”と”寛容”。好きな国はカンボジア。
船川 諒
WEBデザインと、記事の執筆&編集を担当しています。
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