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2017.12.19.Tue / update:2023.11.30

不登校の小中学生、約30万人。31人にひとりの割合

病気や経済的理由以外のなんらかの理由で、年間30日以上学校を欠席している状態を不登校といいます。
全国の小・中学校を対象にした2022年度の文部科学省の調査では、不登校の子どもが29万9,048人いることがわかりました。(前年度から比べて22%増え、過去最多)
日本の小・中学生のおよそ31人にひとり、つまりクラスにひとりくらいは不登校の子がいるということです。

不登校の子どもの数は増え続けています。 2012年度までさかのぼると、不登校の小・中学生の数は11万2,689人から10年間で3倍ちかくに増えたことになります。ちなみに、その間に少子化の影響で小・中学生の数は約1033万人から約944万人へと、約89万人も減りました。

文部科学省によると、不登校の要因の過半数を占めるのが「不安・無気力(51.8%)」。その次に多いのが「生活リズムの乱れ、あそび、非行(11.4%)」なのだそう。学校や家庭に関わる問題としては「いじめを除く友人関係をめぐる問題(9.2%)」や「親子の関わり方(7.4%)」などの理由が多く挙げられています。

近年では、不登校の子どもの存在が特別なものでなくなっています。
これまで考えられていた「学校に行くことが当たり前」という常識がもはや通用しない時代になるとともに、不登校に対する政治や行政の対応もすこしずつ変わってきています。

2017年、不登校の子どもたちの支援を進めるための「教育機会確保法」が施行されました。この法律は、不登校の子どもたちが教育を受ける機会を確保するための施策を国や自治体の責務とし、必要な財政上の措置を講じるよう求めたものです。

また、日本の教育を所管する文部科学省は、従来の「学校復帰を前提した支援のあり方」の見直しに乗り出しました。2019年10月、フリースクールなど学外の施設に通う不登校生を「出席」扱いにしやすくする通知を全国の教育委員会に出したのです。学校に通うことを「義務教育の原則」としながらも、学外で適切に学習している不登校生もきちんと評価されるように舵を切ったのです。

ほかにも、2023年に決まった新たな「教育振興基本計画」では、子どもに合わせた特別なカリキュラムを組むことができる「不登校特例校」を5年後までに全国すべての都道府県と政令指定都市に設置し、将来的には全国に300校まで増やすとされています。

一人ひとりにあった学びの形が選べるように、社会は少しずつ変わろうとしています。

過去の数字は?

2018年度の不登校の小中学生の数
全国の小・中学校を対象にした2018年度の文部科学省の調査では、小中あわせて16万4,528人の児童生徒が不登校だとわかりました。不登校子どもの割合は、1000人あたりおよそ17人です。
2016年、全国の小・中学校を対象に行われた文部科学省の調査では、小中あわせて13万4398人の児童生徒が「不登校」だとわかりました。1000人あたりおよそ14人の児童・生徒が不登校にあたります。そのうち、年間90日以上欠席した割合は57%を占め、不登校の長期化が問題になっています。不登校の要因としては「友人関係」や「学業不振」のほか、多くの児童生徒が「家庭に関わる状況」を理由として挙げています。また、不登校の児童・生徒のうち、半数以上が「不安」や「無気力」を抱えていることもわかりました。

この問題に取り組んでいる団体

株式会社ドワンゴによる、インターネット上の高校

一般財団法人クラスジャパン教育機構による、インターネット上のクラス中心とした学校に通えない子どもたちののための通信・通学型の行政サービス(小中学校)。株式会社ベネッセホールディングスとソフトバンク株式会社の合弁会社であり、学習⽀援プラットフォームを提供するClassi(クラッシー)株式会社が参画している。

全国のフリースクール(何らかの理由で学校にいけない子どもたちのための学習施設の総称)がつながり、情報共有や共同イベントを行うネットワーク

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