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2017.12.19.Tue / update:2020.03.05

世界中に埋まっている地雷の数、5,000万個

誰にも見つからないように、地中に埋めて使う爆弾を「地雷(じらい)」といいます。地雷は、その上を人が歩いたり、戦車が通ったりすると起爆するように作られています。

その残忍さから「非人道的兵器」と言われることもある地雷。特に対人地雷は「悪魔の兵器」と呼ばれるほど恐ろしいものです。
対人地雷のほとんどは、「人を殺すこと」を目的としたものではなく、人に「大怪我を負わせること」を目的に開発されたもの。兵士が地雷で怪我をすれば、その人を助けるために他の兵士が必要となり、単に殺す場合よりも多くのダメージを与えられるからです。
また、無差別で無慈悲な兵器であるという点も、地雷のおそろしいところです。軍人と民間人、敵と味方、大人と子どもの区別もなく、誰が踏んでも爆発して殺傷するのです。

この非人道的な兵器をなくすために結ばれたのが「対人地雷禁止条約」です(1997年に成立、99年に発効)。2019年10月24日現在、164カ国が参加しています。
条約では、対人地雷の使用・貯蔵・生産・移譲等を全面的に禁止し、地雷除去、被害者支援についての国際協力・援助等を規定しています。
日本も条約成立とともに参加し、当時、自衛隊が保有していた地雷約100万個を条約に基づき廃棄。2003年に保有していた(地雷撤去訓練用を除く)全ての地雷の廃棄を完了させました。

しかし、今後使わないことだけでは足りません。これまでに埋めてきた膨大な数の地雷を除去しなければならないのです。
戦争や紛争が終わっても、地雷の危険はいつまでも続き、今でも毎年たくさんの人々が命を落としたり、後遺症が残るほどの大怪我を負っています。2011年の調べでは、地雷による被害者数は年間7,239人にも上りました。
一度埋められた地雷の発見・除去は膨大な手間やお金がかかるため、なかなか進んでいません。2001年のアメリカ国務省の報告書では、世界中に埋められている地雷の数は4,500万〜5,000万個と推定されています。
お掃除ロボットの「ルンバ」を作ったアイロボット社は、もともとは地雷撤去用のロボットを開発していました。これからも人類はテクノロジーを進化させ、アイディアを振り絞り、地雷撤去を続けていかなければなりません。

この問題に取り組んでいる団体

「地雷」、「小型武器」、「子ども兵」、「平和教育」の4つの課題に対して、現場での国際協力と同時に、日本国内での啓発・提言活動を行っている団体。団体名のテラはラテン語で「地球」、ルネッサンスは英語で「再生、復興」という意味。

2002年〜04年まで東ティモールに派遣され、インフラ整備や人材育成を行った陸上自衛隊の活動を引き継ぐために、自衛隊OBを中心に結成された団体。東ティモール国内の不発弾処理や地雷除去なども行っている。

アフリカ・中東の平和構築を支援する認定NPO法人。紛争の発生予防、拡大防止および再発防止のために、民間分野における日本の貢献を強化し、世界平和と国際協力の推進に寄与することを目的として作られた。これまでにアフガニスタンで地雷除去事業を実施し、地雷原を安全な農地・宅地にして難民や国内避難民の機関を促進するなどしてきた。

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himo
本名・日下部智海(TOMOMI KUSAKABE)
福岡のスラム街出身。今春、大学を卒業した23歳。ヒモ。通称「ヒモっち」。
ヨルダンでシリア難民に助けられた経験から、難民問題やイスラームの記事を書くはずが、各国でヒモとして生活。ヒモ的視点からイスラーム情報をお届け。
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Bolly
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チャリツモではチャーリーくんをはじめとしたイラストを担当。
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船川 諒
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