2019.01.10.Thu
“枠組み”から解き放たれた人々によるアートとは? 岩手・花巻のるんびにい美術館を訪れました
Chikara
チカラさん
チカラさんの作品は白い糸。糸を切って、結ぶという作業をただひたすら繰り返すうちに、ひとつのアート作品が出来上がります。チカラさんが独自で始めたこの制作手法は、もともと草木染の仕事をしていたときに発案されたのだといいます。
染めの材料として糸が使われるのですが、それがよく絡まってしまうそう。そんなとき、糸を切って、結んで、繋ぐのですが、その作業を覚えたチカラさんは、糸が絡まっていなくても、切って、結んで、繋ぐようになりました。かれこれ10年以上、毎日この作業を続けています。
板垣
この作業をやり始めたときは、スタッフも「なんでこんなことを」というような反応でした。それが美術展でガラスケースに入れられるようになるなんて、誰も想像していなかったんです。
けれどもチカラさんにとっては、この糸はアートでも作品でもなく、ただ切って結ぶ喜びを味わっているだけなのかもしれません。その結果としてこのような物体が出来上がるに過ぎない。そのことこそ重要だと私たちは考えています。
クリエイター:
似顔絵&商品写真提供:株式会社ヘラルボニー