“枠組み”から解き放たれた人々によるアートとは? 岩手・花巻のるんびにい美術館を訪れました
アートを使って、福祉の世界に挑戦し続けるMUKU。障害のあるアーティストの方の作品をモチーフに、ネクタイや傘、文房具などのプロダクトを世に生み出しています。(インタビュー第一弾はこちら)
その誕生のきっかけとなったのは、岩手県花巻市にある障害者アートを展示する美術館るんびにい美術館です。MUKUのプロダクトのモチーフとなるアート作品の数々は、このるんびにぃ美術館に所属するアーティストの方々が制作しているといいます。
今回チャリツモ取材チームは、MUKUの作品を作るアーティストたちに会うために、岩手県まで脚を運びました。
宮沢賢治ゆかりの地である岩手県花巻市。そこに、るんびにい美術館はひっそりとたたずんでいます。るんびにい美術館アートディレクターの板垣さんにお話を伺いました。
るんびにい美術館ってどんなところ?
ここ、るんびにい美術館はどのような美術館なのですか?
もともとは、障害のある子どもたちの陶芸作品を焼く窯を作ったことが始まりでした。今から30年前のことです。
自分の気持ちをうまく表現できず、苦しんだり心を閉ざしたりしてきた子どもたちが、粘土に気持ちをぶつけることで言葉にできない感情を表現するという取り組みでした。
その後、陶芸だけでなく、織物や絵画など徐々に作品の幅は広がっていき、作品数も増えていき、美術館の設立に至ったわけです。
今では年に4回ほど企画展をしています。
MUKUとのコラボレーション
るんびにい美術館には、障害者アーティストが制作活動の拠点にする工房「まゆ~ら」があります。まゆ〜らには現在10名のアーティストが所属していて、そのうち4名のアーティストがMUKUに作品提供しています。
実際に商品のサンプルが届いたときは、とんでもなく美しく、想像以上のクオリティで、言葉が出ませんでした。彼らの作品が高いクオリティの商品となることで、社会への強いメッセージとなると直感しました。
アートが生まれる現場に潜入!
それではさっそく、アーティストの方々が作業する工房へお邪魔します。
るんびにい美術館の2階にある「まゆ~ら」。
その扉を開けると、目の前に広がったのは、アーティストの方々が、思い思いに制作活動に打ち込んでいる姿でした。紙や織機にひたすら向き合っている人、アイディアが思いつくまで思索を重ねている様子で歩き回っている人など、皆さんてんでバラバラ、自由に制作にのめり込んでいました。
それでは、個性豊かなアーティストの方々を 、少し紹介します。
似顔絵&商品写真提供:株式会社ヘラルボニー