2020.05.06.Wed / update:2023.12.04
性被害者の8割が、被害を届け出ていない
警察が認知していない犯罪被害の件数を調べるため、法務省が2019年に全国6,000人(男女各3,000人)を対象に犯罪実態のアンケート調査を実施し、3,500人の回答を集計しました。
その結果、過去5年間に性的事件の被害に遭ったと答えた人は、35人(女性30人・男性5人)で、回答者全体の1%にあたります。
そのうち捜査機関に被害を届け出ていたのはたったの5人。28人が被害届を出していないと回答し、残り2名は回答不明でした。
性的事件の被害者の80%以上が捜査機関に被害を届け出ていないということになります。
申告しなかった理由を複数回答で尋ねたところ、
・「それほど重大ではない(35.7%)」が最も多く、
・「どうしたらよいのか分からなかった or 被害を届け出る方法が分からなかった(28.6%)」
・「被害に遭ったことを知られたくなかった or 恥ずかしくて言えなかった(14.3%)」
・「捜査機関は何もできない or 証拠がない(14.3%)」
・「自分で解決した or 加害者を知っていた(14.3%)」
と続いています。
過去5年間の個人犯罪別届出率を比べてみると、強盗(43.5%)や暴行・脅迫(41.2%)などの犯罪の場合は約4割が被害届が出されているのに対し、性的事件(14.3%)やDV(11.5%)の届出率はとても低いことがわかります。