出産を機に退職する非正規雇用の女性の割合59.7%
第一子出産後に退職する女性の割合は30.5%(2015〜2019年)。政府による第1子出産前後の女性の継続就業率の目標は7割なので、一見順調なように見えます。
しかし、出産後の就業継続率には、出産以前の就業形態が大きな影響を与えます。
出産前に「正社員」で働いていた女性の就業継続率は83.4%(そのうち89.6%が育休を利用)であるのに対し、パート・派遣の女性の就業継続率は40.3%(そのうち58.6%が育休を利用)と正社員の半分以下しかありません。95年から99年にかけて、パート・派遣の就業継続率は15.2%だった(同時期の正社員は45.5%)ことを踏まえると、非正規雇用の女性の就業継続率も格段にあがりました。とはいえ、先述したように正規・非正規の格差はまだまだ大きいと言えるでしょう。
2018年の調査によると、第一子の妊娠・出産を機に退職した人の退職理由として最も多いのは「子育てをしながら仕事を続けるのは大変だったから(52.3%)」。ついで「子育てに専念したかったから(46.1%)」が続きます。
また27.9%の人が「職場の出産・子育ての支援制度が不十分だったから」、10.9%の人が「保育所など子どもの預け先を確保できなかったから」と答えており、出産・子育てと仕事の両立のための制度・設備が整っていないために仕事をやめていることがわかります。
24年卒の大学生・大学院生を対象に子育てについて調査した結果、女子学生のうち「子どもができたら仕事をやめて子育てに専念したい」と考えた割合はわずか5.5%。若い女性の多くが出産後も働きたいと考えている時代です。
少子化や人材不足などの問題を抱えている日本。望めば産後も働き続けられる環境整備の推進を、今後はさらに進めていく必要があるでしょう。