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2020.05.06.Wed / update:2023.12.04

出産を機に退職する非正規雇用の女性の割合59.7%

臨月を迎えた女性が大きくなった自分のおなかをさすっている。左上には59.7%と書かれている

第一子出産後に退職する女性の割合は30.5%(2015〜2019年)。政府による第1子出産前後の女性の継続就業率の目標は7割なので、一見順調なように見えます。

しかし、出産後の就業継続率には、出産以前の就業形態が大きな影響を与えます。
出産前に「正社員」で働いていた女性の就業継続率は83.4%(そのうち89.6%が育休を利用)であるのに対し、パート・派遣の女性の就業継続率は40.3%(そのうち58.6%が育休を利用)と正社員の半分以下しかありません。95年から99年にかけて、パート・派遣の就業継続率は15.2%だった(同時期の正社員は45.5%)ことを踏まえると、非正規雇用の女性の就業継続率も格段にあがりました。とはいえ、先述したように正規・非正規の格差はまだまだ大きいと言えるでしょう。

2018年の調査によると、第一子の妊娠・出産を機に退職した人の退職理由として最も多いのは「子育てをしながら仕事を続けるのは大変だったから(52.3%)」。ついで「子育てに専念したかったから(46.1%)」が続きます。
また27.9%の人が「職場の出産・子育ての支援制度が不十分だったから」、10.9%の人が「保育所など子どもの預け先を確保できなかったから」と答えており、出産・子育てと仕事の両立のための制度・設備が整っていないために仕事をやめていることがわかります。

24年卒の大学生・大学院生を対象に子育てについて調査した結果、女子学生のうち「子どもができたら仕事をやめて子育てに専念したい」と考えた割合はわずか5.5%。若い女性の多くが出産後も働きたいと考えている時代です。
少子化や人材不足などの問題を抱えている日本。望めば産後も働き続けられる環境整備の推進を、今後はさらに進めていく必要があるでしょう。

過去の数字は?

臨月を迎えた女性が大きくなった自分のおなかをさすっている
第一子出産後に退職する女性の割合は46.9%(2010〜2014年)で、およそ半数の女性が出産を機に第一線から身を退いています。 出産後の就業継続率は、出産以前の就業形態が大きな影響を与えます。 出産前に「正社員」で働いていた女性の就業継続率は69.1%(そのうち59%が育休を利用)であるのに対し、パート・派遣の女性の就業継続率は25.2%(そのうち10.6%が育休を利用)と正社員の3分の1ほどしかありません。(※内閣府男女共同参画局の調査より) 第一子の妊娠・出産を機に退職した人の退職理由として最も多いのは「子育てをしながら仕事を続けるのは大変だったから(52.3%)」。ついで「子育てに専念したかったから(46.1%)」が続きます。 また27.9%の人が「職場の出産・子育ての支援制度が不十分だったから」、10.9%の人が「保育所など子どもの預け先を確保できなかったから」と答えており、出産・子育てと仕事の両立のための制度・設備が整っていないために仕事をやめていることがわかります。(※明治安田生活福祉研究所の調査より) 出産退職に伴う経済全体の付加価値損失は1兆1,741億円と言われています。 個人のためにも、社会全体のためにも、出産しても働き続けられる環境づくりが急務です。(※第一生命経済研究所の調査より)
「第1子出産前後の女性の継続就業率」及び出産・育児と女性の就業状況について/内閣府男女共同参画局 出産・子育てに関する調査/明治安田生活福祉研究所 出産退職の経済損失1.2兆円~退職20万人の就業継続は何が鍵になるか?~/第一生命経済研究所
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WEBデザインと、記事の執筆&編集を担当しています。
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近安 夏海
イラストレーター。イギリスの小さな港町の美大卒。特に興味がある分野はフェミニズム、環境問題とエシカルな消費、格差社会など。映画も好きです。
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船川 諒
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