成人男性の20人に1人が「腟内射精障害」。原因は間違ったマスターベーション/TENGAヘルスケア×社会【前編】

日本が抱える「少子高齢化」という問題が深刻化する一方、多くの夫婦が「不妊」の悩みを抱える時代になりました。
近年、不妊治療を受ける人の数は増え続け、国が医療費を支援する「特定不妊治療支援事業」の利用者数は、平成16〜27年度までの10年間でおよそ9倍にもなったのだそうです。
もはや不妊は社会課題の一つと捉えて差し支えない状況でしょう。
現在35歳の私自身、30歳を超えた頃から、周囲の同年代の知り合いが「妊活」という言葉を口にする機会が増えてきたことを実感しています。
しかし、一般的な認知は広がってはきたものの、「妊活」の主役は今も女性なのだと思い込んでいる男性も多いのではないでしょうか。不妊治療のクリニックでは、待合室にひしめくのは圧倒的に女性です。仕事の時間を割いてまで、不妊治療に積極的に参加する男性はまだまだ少ないように感じます。やはり男性と女性の間で、切迫感や当事者意識に大きな差があるのではないでしょうか。
ところが、実際には不妊の原因が男性側にあるケースも多いのだと言われています。
その一例が、国内に予備軍が270万人もいるといわれる「腟内射精障害」です。SEXの際に、きちんと腟内で射精できなくなってしまう障害で、その原因の7割は、“不適切な方法でのマスターベーション”だと言います。
今回は、腟内射精障害の男性たちのリハビリを手助けし、「男の妊活サポート」事業を進める株式会社TENGAヘルスケアを訪れ、同社取締役・佐藤雅信さんと広報・西野芙美さんにお話を伺います。
プロフィール
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佐藤 雅信
1982年生まれ。2005年当時誕生直後のTENGAに入社。製品開発や海外事業に携わった後、極度の性欲減退に悩み自分を見失う。自らの人生を振り返ると性の悩みに満ちていたことに気づき、同じように性の悩みや問題を抱え、性を楽しめなくなってしまっている人のサポートをしたいと考えTENGAヘルスケアを設立。
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西野 芙美
1989年生まれ。学生時代から性をタブー視する風潮に疑問を抱き、大学卒業後に人材紹介会社、出版社での勤務を経て2017年TENGAに入社。男性向けブランド「TENGA」、女性向けブランド「iroha」のほか、TENGAヘルスケアの広報を兼任。
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ライターふな
チャリツモライター。はじめてのマスターベーションは小5くらい!
妊活について
セックスで射精できなくなる、膣内射精障害。その原因は危険なマスターベーション。
ふな:今日は、アダルトトイで有名なTENGAさんが立ち上げたグループ会社株式会社TENGAヘルスケアさんに伺っています。
なんでも“性”に関わる社会課題を解決するための面白い試みをされている、と聞いて伺ったのですが…。
今私たちの目の前には、美しいフォルムの筒が並んでいますが…これは、まさしくTENGAですね!
でも見慣れた赤いTENGAとはちがってなにやら番号が振られています。
いったい、これはなんですか?
佐藤:これはTENGAヘルスケアが販売している「メンズトレーニングカップ」という商品です。
5段階の異なる刺激の強さを持っていて、マスターベーションすることを通じて男性機能をトレーニングするものです。
こちらは女性の「腟」の中で射精ができない「腟内射精障害」という悩みを抱える方へ向けて作られたものです。
ふな:なるほど。マスターベーションでは射精できるのに、いざセックスになると出せなくなっちゃう人のことですね。原因はなんなのでしょう。
佐藤:不適切なマスターベーションの方法が主な原因になります。
思春期に覚えた間違ったマスターベーションの方法を続けて、その刺激が癖になってしまって障害になっていくんです。この障害を乗り越えるためには、適切な形での刺激に慣らしていく必要がありますが、それを手助けするのがこのトレーニングカップです。
具体的には刺激の強いものから弱いものまで5段階ありまして、すこし強めの物から始めて、これで射精出来たら次はもう少し弱いほうにというようにだんだんとシフトしていきます。
05番の「ソフトタイプ」という物が腟から得られる刺激に近いものになっていますので、最終的にこれで射精できたら腟の中でも射精ができる可能性が高くなるんです。
ふな:禁煙の治療みたいですね。
「セックスで射精できない」という話は、なかなか話しにくい問題ではありますが、親しい友人からはちらほら聞いたことがあります。
射精障害に悩んでいる人は一体どれくらいいるのか、把握されてますか?
佐藤:日本性機能学会で発表された調査データによると、270万人ほどが腟内射精障害の疑いがあります。成人男性の20人に1人ですね。
ふな:270万人!驚きの数字ですね。
みんな、いったいどんなマスターべーションをしてきたのでしょう。
佐藤:間違ったやり方の典型は、俗に言う「床オナ」(正式にはプレス法)という床にペニスを押し付けて射精するマスターベーションです。
私たちの調査によると、10代の男性の12%が床オナを経験しているという結果が出ています。
ふな:床オナ…某匿名掲示板で見かけたことがあります。
そんな危険なやり方をしている人がほんとにいるのか?とも思っていましたが、自分の子供時代を振り返ると、僕自身もなにかにこすりつけたときに快感を覚えて、性に目覚めたように思います。
机の角とかに、股間を押し付けると「なんか気持ちいいぞ」みたいな。
西野:女の子も床オナしますしね。
ふな:ええ!そうなんですか?
女性にもリスクが高そうですね。
西野:床オナすると、女性もセックスでオーガズムに達しづらくなってしまいます。
ふな:男性も女性も、床オナなどの強い刺激を与えるマスターベーションを続けると、セックスを楽しめなくなってしまうんですね…。
ちなみに、トレーニングカップの横にある商品は何なのでしょうか?「テンガメンズルーペ」?
西野:こちらはスマホ向けの精子観察キットですね。お持ちのスマホのフロントカメラに、このルーペをセットすることで自分の精子を簡単に観察できるんです。
使い方は、まず精液を四角いカップに出し、それを採取ピックですくって、レンズ部分に垂らす。で、これをスマホのカメラ部分に乗せると、スマホの画面で精子が動いている様子を確認できるんです。
ふな:おぉ!うじゃうじゃ動いている!
こんなに簡単に精子が見れるなんて!わざわざ病院に行かなくてもいいんですね。
佐藤:そうなんです。今まで男性が気軽にできる妊活って、なかなか無かったですよね。
このルーペは「男の妊活はじめの一歩!」と銘打って、まずは自分の精子がいるかどうか、ちゃんと動いているかを確認してみようということを目的としています。
ふな:男性向けの妊活グッズって、これまであまりありませんでしたよね。というか、男性は積極的に妊活に参加する人はそれほど多くないですよね。
不妊治療のクリニックに行ったことがありますが、そのクリニックは大盛況でしたが来ている患者さんは見事に全員女の人でしたね。
ふな:過去に妻から「病院で精液検査をするから、精液をこの容器に出して」なんて言われてすごく抵抗がありました。これなら女性がいないところで自分で確認できますね。
それにしても、男性の妊活市場とは、すごくいいところに着目されたんですね。これからいくらでも伸びて行きそうな予感がします。
下品な聞き方をしてしまいますが、やっぱり儲かりそうだな!っと思って進出されたのですか?
西野:実は、これらの妊活商品は、私たちが主導したというよりは、TENGAを使っていただいていたお医者様からのリクエストがきっかけで誕生したんです。
泌尿器科の医師で、男性の不妊を専門とされている小堀善友医師から「TENGAを使って腟内射精障害の改善ができるのではないか」ということで弊社にご連絡を頂いたんです。
そして、実際に腟内射精障害の患者さんを対象に、ハードタイプのTENGAから始めて、だんだん刺激の弱いTENGAに変えていくというトレーニングを考案して、その結果を論文で発表されています。
そんな小堀医師からのアプローチを受けて、さらに医療分野に特化した製品として、小堀医師ご協力のもと開発してきたのが「メンズトレーニングカップ」と「メンズルーペ」です。
ふな:なるほど。医療現場の声をすくいあげて事業化してきたのですね。
西野:そうですね。
我々はTENGAをレジャー目的で作っていましたが、思わぬところからお声がけいただくことが非常に多いんです。
障害者の方からの声をもとに、手に障害を持つ人が握れなくてもTENGAを使えるという補助器具を作らせていただいたりもしました。
そういう土台があったので、レジャーのTENGAではなくて、「性に関する問題の改善」というヘルスケアに特化した会社としてTENGAヘルスケアをつくろうという流れになりました。
佐藤:もともとTENGA創業時に、社長の松本光一は「メディカルTENGA」だとか、医療系や障害者福祉の分野に進出したいと青写真を描いていました。それを今、少しづつ形にしていってる段階ですね。
ふな:なるほど。TENGAというとどうしてもアダルトグッズのイメージが先行しますが、医療や福祉の分野に乗り出すのは、いわば必然だったんですね。
西野:TENGAヘルスケアの事業分野は、医療・福祉に加え、3本目の柱として教育があります。
性教育について
誰も教えてくれない、正しいマスターベーションのやり方
ふな:TENGAと教育。これまた意外な組み合わせに聞こえるかもしれませんね。その背景を教えてください。
佐藤:腟内射精障害の原因の多くは若いころの不適切なマスターベーションです。
長年間違った方法を続けて過度な刺激に慣れてしまうと、治すのってすごく難しいんです。
「メンズトレーニングカップ」などを使ってトレーニングできない事は無いですが、とても根気が要りますし、治療も長期化します。
一番の対応策はなにかというと、「予防する事」なんです。ですからマスターベーションを覚える時期に、「適切な方法」について教えるという事が必要かなと。
ふな:マスターベーションについて、学校では教えてくれませんよね。本当はすごく大切なことなのに。
佐藤:最近の教科書では「マスターベーションというものがあり“自慰”とよばれていて、好きな時にやってよい」というような記載があるのですが、その具体的なやり方、不適切な方法や、それが将来不妊に繋がることなどの記載はありません。
西野:TENGAでは先日、18カ国の13,039人を対象に「マスターベーション世界調査」という性の意識調査を行いました。
その調査によると、性教育の実施率では日本は真ん中くらいなんです。(全体の53%が「受けたことがある」と回答)
ところが、マスターベーションについて習った経験に関しては世界で最下位でした。
マスターベーションに関する教育の実施率はブラジルが45%に対して、日本は12%しかなかったんです。
日本全体では半数以上の人がなにかしら教育機関で性教育を受けていますが、マスターベーションについてはほとんどやっていないということです。
一方で、マスターベーションを始める年齢が最も若いのは日本でした。平均14.6歳でマスターベーションを始めています。
ふな:日本人は世界の中では、マスターベーションに関して早熟なんですね。
個人的には、平均はもっと早いんじゃないかと思います。ちなみに僕は12歳くらいでした。
佐藤:私は、5歳でした。
ふな:おぉ、早い!まさか、床オナですか?
佐藤:私は床オナはやってませんでしたね。私はシャワー派でした。
股間にシャワーを当てると、水流でおちんちんがぐるぐる回転して、最後に勃つ。というような。
ふな:なんだかかわいらしい光景ですね。そんなに早くに目覚めてしまう子どももいるという証左ですね。
西野:マスターベーションを始めるのは早いのに、性教育ではマスターベーションについてきちんと教えられていない。「床オナは危険だよ」なんて話は学校では絶対聞かないですよね。ましてやインターネット上では「床オナ気持ちいいぜ」なんて情報が流れています。
ふな:子どもには何が良いのか悪いのかわからないですし、ネットで見た間違った情報を信じてしまう危険性は大いにありますね。
西野:ちなみに先程の調査では、マスターベーションのみならず「性的暴行およびハラスメント」に関しての教育も、日本は最下位だということがわかりました。
「体の作りの違い」は教えるけれど、「セックス」において大事な事や「日常の生活に溶け込む性」の話はされないというのが、日本の性教育の現状ではないでしょうか。
ふな:日本は昔から変わらず性教育後進国なんでしょうか。
西野:性教育の専門家に話を聞くと、日本もある時期は教科書も充実していて豊かな性教育がされていたのだそうです。
しかし、2003年にとある養護学校での性教育が大バッシングを受けた事件(七生養護学校事件)をきっかけに、性教育が縮小してしまったのだそうです。
七生養護学校事件
東京都日野市にある都立七生養護学校(現東京都立七生特別支援学校)で知的障害を持つ児童に対して行われていた性教育の授業内容が不適切であるとの非難を受け、東京都教育委員会が当時の校長及び教職員に対し厳重注意処分を行った事件。
1997年に七生養護学校の在校生である女子生徒が男子生徒と性的関係を持ったことが発覚し、この問題を受けて教員と保護者が協議を重ね知的障害を持つ児童に対する同校独自の性教育プログラムを開発。「こころとからだの学習」と名付けられたこの授業は男性器と女性器の部位や名称を織り込んだ歌や人形を使った授業方法で注目を集め、同様の悩みを持つ他地域の養護学校からの研修も積極的に受け入れていた。
これに対し、3名の都議が授業内容につき「常識では考えられない」「不適切」と強く非難。
七生養護学校側への非難の高まりを受けて、都教委は9月に「授業内容が不適切である」として授業に使用された教材145点を没収すると共に、当時の校長に対しては「教員の定数について虚偽の報告を行った」等の理由で教諭への降格並びに停職1ヶ月の懲戒処分を命じた。また、授業に関わった教員ら31名に対しては厳重注意処分が下されたが、処分理由はいずれも問題視された授業内容とは直接関係の無いものであった。
ふな:せっかく盛り上がってきたところだったのに、バッシングで芽がつぶされちゃったんですねえ。
すごく大事なことなのに。
西野:最近でも足立区の公立中学校で避妊や人工妊娠中絶について教えたら、都の教育委員会が「学習指導要領を超える内容で“課題のある授業”だ」として、区の教育委員会に指導をしました。
ふな:教育委員会が「中学生には、避妊や中絶は関係ない」と言っているのですね。個人的には、一番関係ある年頃だと思いますけどね。
「教育」の分野に入っていくのは難しそうですが、具体的にTENGAヘルスケアではどのような性教育の事業を行っているのでしょう。
佐藤:大学生への講義や学園祭でのコンドームの配布を行ったりしています。
しかし思春期の子どもたちに対して何ができるかは、現在専門家とディスカッションをしている段階で、具体的なサービス展開はこれからになります。
西野:我々はメーカーなので、専門家と教育現場の仲立ち的な役割が多いですね。そんな立場を生かして様々なコンテンツを作っていけたらいいなと考えています。
ふな:中学生向けの性の情報サイトとかがあればいいですね。「性に関する子ども相談室」とか。
僕らの時代にはありませんでしたから。
大人に話せない、性の悩みはたくさんありましたもん。
(性の情報サイトに関しては、後日実現しました!セイシル〜知ろう、話そう、性のモヤモヤ)
佐藤:私も昔包茎で悩んでいて、訳の分からないサイトの情報を頼りに変なクリニックで包茎手術をして大変な思いをしました。大金を取られた上に、性感帯の一部を切り取られてしまって…。私のような被害者を減らしたいです。
ふな:相談できないから、怪しいサイトの情報を信じてしまうんですよね。そこにしか情報がないから。
性教育のやり方、教えかたがわからない親もいると思います。というか、ほとんどの親は「性」について、どう伝えればいいのかわからないのではないでしょうか。
西野:私も7つ下の弟がいるんですが。うちの両親は、彼が幼い頃からおちんちんが剥ける・剥けないを結構気にしていました。あれって訓練じゃないですか。
佐藤:放っておくと癒着してしまったりとか。
西野:真性包茎ですよね。最悪の場合、手術が必要になってしまう。
佐藤:ゴミがたまって不潔ですしね。
西野:うちの父は、弟が小さい頃から、お風呂の度に剥く練習をさせていました。「これはやっておかないと大変だから、お母さんとお風呂に入る時もやっておくんだぞ」と弟に言っていて。
ある日、弟のおちんちんが剥けて、「やった!」と親子で喜んでいました。
そんなふうに、まだ「性=エロ」になる前から、少しずつ性に関する話を家族としていると相談しやすいと思います。
親自身がまずは性に関するタブーをはずすというか。教えなきゃいけないことを、自分の中で決めるというか。
性=タブーで、なんでもタブーの箱に入れてしまうと、大事な情報がまったく共有されなかったりするので。
自分の性癖を出せとかは言いませんが、自分が生きていくうえで大事なこととして、「性について何だろう」と親が考えてみるというのは大事な視点だと思いますね。
佐藤:僕の息子は3歳なのですが、もうすでに性に目覚めてます。自分で自分の乳首をいじって喜んでるんですよ。何で触ってるのって聞くと気持ち良いからっていうんですよ。しかも親の乳首もせめてきて「気持ち良い?」って聞いてくるんですよ。しかも、それがすごく上手なんです。乳首の転がし方とか。
ふな:(笑)
才能ですね!
佐藤:でもそういう欲求をあまり押さえつけたりは良くないから、乳首いじりはやっても良いけど、ただ、お友達としたらダメだよと教えています。他の人にしてしまうとこわいので。教育しなければあらぬ方向に行ってしまいます。
小さい頃からちゃんとそういうことに親が興味持って教えていれば良いのですけど、いきなり思春期になって急に教えるとなると難しいですよね。
そもそも親と子のコミュニケーションに問題が生じる年代ですから、性の話となるとさらに一歩踏み込まないといけません。
どういった形で導入していくのかは難しいですよね。
ふな:性教育の教え方について、サポートしてくれる情報サイトなどがあると助かりますね。
佐藤:おちんちんの洗い方を教えてくれるサイトなどはありますよ。
皮を剥くトレーニングを楽しくできる「むきむき体操」なんていうのもありますし。
西野:おちんちんに関する情報は、結構あるんです。
女性の性教育のほうがよりタブーが強くて、遅れています。
田房永子さんという漫画家が『ママだって、人間』というコミックエッセイで、子供が生まれた時のことを描いています。
その漫画に描かれる産婦人科の「ママ講座」の場面が印象的です。
講座では助産師さんが新米ママへ子供の性器の扱い方について教えてるんですが、おちんちんについては話がすごく盛り上がってお母さんたちも食いつくのに、女性器の洗い方になると沈黙を貫く。助産師さんもあまり語らない、と。
女性器って構造がすごく複雑でデリケート。だからこそ知識が必要なのに、十分に説明しないんです。
女性器に関して教育が不十分なため、大人になっても正しいケアの仕方を知らない女性もいます。中を石鹸で洗ってはいけないことを知らない女性も多いですし。
ふな:え?そうなんですか?
西野:石鹸で洗って常在菌を洗い流してしまうと、自浄作用が働かなくなるので炎症等のトラブルを引き起こす危険性があるんです。
確かに、女性器の話はなかなか出てきませんよね。
男性器は「おちんちん」ってポップな感覚で言えますが、女性器にはそうした愛称がありませんよね。
西野:以前どこかの教育委員会で、女性器のもっと気軽な呼称を作るために真剣に討論したらしいのですが、行きついた呼び方が「おぱんぽん」だったと。
ふな:おぱんぽん!
ポップコーンみたいですね。
西野:なんでそんな破裂音ばっかりなんですかね。
ふな:その「おぱんぽん」も結局は全然浸透していないわけですもんね。
タブー視される性のカテゴリーの中でも、特に「女性の性」について語られて来なかったということですね。
この続きはこちら→「TENGA×社会【後編】タブーにされてきた障害者・高齢者とマスターベーション」で!
(書き起こしライター:槻 くみこ)