1人1日当たりのごみ排出量890g
国内で一年間に発生するゴミの量は4095万トン、東京ドーム110杯分という途方もない量です。日本人ひとりでは1日あたり890グラム、一年間では325キログラムほどのゴミを出している計算です。
日本のゴミの量はここ10年間で少しずつ減っています。10年前の2011年度の総排出量は4,625万トンでしたから、1割以上減少しています。しかしリサイクル率は、20%を前後していて横ばいです。およそ8割のゴミは焼却炉で燃やされ、灰になります。鉛やカドミウムなどの重金属をわずかに含むゴミを燃やしたあとの灰は、有害性が高いため、大半は廃棄物を最終的に埋め立てる「最終処分場」に埋め立てられます。
現在、国内にある最終処分場は1,572施設(一般廃棄物最終処分場)で残余容量は9844万8,000㎥です。最終処分場が残りどのくらいでいっぱいになってしまうのかを示す残余年数は、全国平均で23.5年だと言われています。国土が狭い日本では、限られた埋め立て地をできるだけ長く利用するために、埋め立てる量を減らすことが課題となっているのです。
最近では、ゴミの焼却灰を1300℃以上の高温で溶かして「溶融スラグ」という石のようや固形物にして体積を半分くらいに減らす方法で埋め立てる量を減らしたり、灰を埋め立てるのではなくセメントの原料として利用するなどの資源化の取り組みが進められています。こうした取り組みの結果、灰の3割程度を資源化できるようになりました。
しかし、そもそも燃やさなければならないゴミを出さないことが大切なのは言うまでもありません。ごみは燃やせば消えてなくなるわけではなく、その後の灰をどう処理するのかまで、私たちは責任をもっていることを忘れずに、できるだけゴミをださない暮らしを送っていきましょう。