大西洋の魚、4分の3からマイクロプラスチック

2018年に発表された論文によると、大西洋北西の水深300〜600mにいる魚のうち、およそ4分の3の魚の胃袋からマイクロプラスチック(微小なプラスチック粒子)が見つかったのだそうです。
マイクロプラスチックとは5mm以下の小さなプラスチックごみのことです。大きなサイズのプラスチックがくだけて小さくなったもので、人間の目では見えないほど小さなものもあります。また、洗顔料・歯磨き粉などに入っているスクラブもマイクロプラスチックだとされています。
近年、人間が生み出したプラスチックが海を汚していることが徐々に明らかになってきています。
世界中で毎年推計500万~1300万トンのプラスチックごみが海に流れ込んでいるといわれていて、アメリカ公共科学図書館によると、現時点で海の中には少なくとも5兆個のマイクロプラスチックが漂っているのだそうです。
海に大量のマイクロプラスチックが漂っている理由の一つに、ペットボトルの大量消費があります。1年間に日本で消費されているペットボトルの数は、227億本です。日本の総人口は1億2620万人のため、単純計算で一人当たり1年間で、約180本のペットボトルを消費しています。それらのペットボトルの一部が、ポイ捨てされ、川から海に流れ、くだけて小さくなりマイクロプラスチックになるのです。
マイクロプラスチックに汚染されているのは、海や魚だけでしょうか?もちろんそうではありません。人間が1週間にクレジットカード1枚分、約5グラムのマイクロプラスチックを摂取している可能性があるとしたオーストラリアの大学の調査結果が明らかになりました。
このまま、プラスチックの排出が続いて、私たちの周囲の環境や、私たち自身の汚染が進んでしまうのでしょうか?
この問題に取り組んでいる団体
株式会社アキュラホームとザ・キャピトルホテル 東急による、木材ストロー制作プロジェクト
2020年までにごみをゼロにする「ゼロ・ウェイスト宣言」をした徳島県上勝町で活動と開始。情報発信、セミナー・研修などを行う。
世界188か国で行われる350ネットワークは、一般市民が中心となり地球温暖化対策をする国際環境NGO。情報発信や啓発活動、市民主導ムーブメントの構築、アドボカシーなどを行う。
参考情報
『Frequency of Microplastics in Mesopelagic Fishes from the Northwest Atlantic』/Frontiers
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fmars.2018.00039/full
2017年06月8日 中国などアジア4カ国、海のプラスチック汚染への対策を表明 国連海洋会議で/BBCニュース
http://www.bbc.com/japanese/40197876
Plastic Pollution in the World’s Oceans: More than 5 Trillion Plastic Pieces Weighing over 250,000 Tons Afloat at Sea/PLOS
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0111913
海洋ごみとマイクロプラスチックに関する環境省の取組/環境省
http://www.env.go.jp/water/marine_litter/00_MOE.pdf
生態系に影響、深刻な「海洋プラスチックごみ問題」に私たちができること/GLOBE+
https://globe.asahi.com/article/13034286