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2018.11.03.Sat

店員さんに「ありがとう」を伝えていますか?〜小さな小さな対人関係〜

みなさんは「お客様は神様です」というフレーズを耳にしたことはありますか?
「そんなフレーズ、昔のものじゃん!」と考える方は多いと思います。
それでは聞き方を変えてみましょう。

「今朝寄ったコンビニの店員さんにお釣りを手渡されたとき、ありがとうと伝えましたか?」

そういえばありがとうと言ったっけな…。
むしろ、店員さんの「ありがとうございました」の声かけを遮るようにお店を出たような…。
思い返して少しドキッとされた方もいるのではないでしょうか。どうしてこのようなトピックを立てたのか。
それはつい最近、店員であるわたし自身がお客様との関係性に疑問を抱いたからです。

わたしは学生時代、米軍基地内の某有名コーヒーチェーン店でアルバイトをしていました。お客様の9割はアメリカ人。
最初は慣れない英語での接客に戸惑いましたが、徐々に慣れ、楽しめるようになりました。

そこでわたしが一番感動したのが、店員であるわたしに対するお客様たちの対応です。
オーダーを聞く前に、「Good morning! 今日も元気?」という会話を楽しんだり、私がコーヒーを手渡すときにはほぼ全員がにっこりと微笑みながら 「Thank you! 」と伝えてくださったり。(常連のお客様は時にウインクさえも。)
「Have a good day! 」と声をかけると、こちらを振り返り 「You too!」 と手を降ってくださったり。

そういった経験から、ポジティブな言葉をかけることが、相手も自分自身をもハッピーにできることを学びました。

そして大学卒業とともにそのアルバイトも退職し、現在は別の職種ではありますが、お客様と直接顔を合わせるB to Cのお仕事をしています。
そこでのお客様の態度に初めは逆カルチャーショックを受けました。
お飲み物をお持ちした際に、「ありがとう」と言葉にしてくださるお客様は全体の半分くらい。
同じ場面で私の存在が見えていないように何も反応してくださらない方に出会ったときにはショックを受けました。
お客様に「ありがとう」と言われなかったことが辛い、ということではありません。
お客様からして自分はどうでもいいのだと、だから無下に扱われたように感じ、辛かったのです。

しかしもちろん、それとは対照的に、きちんと目を見て、心のこもった「ありがとう」を伝えてくださるお客様や、何か頼まれる際に「お願いします」と気遣ってくださるお客様もたくさんいらっしゃいます。
ふんわりとあたたかい気持ちになりますし、「この人のためにさらに何かできることはないか」と向上心を抱きます。
こうした自分の経験から、わたしはお客様の対応のしかたによって、受けられるサービスもがらりと変わってくるのではないか、と思うようになりました。

そこで今度は、自分がサービスの受け手に立つ際に良いお客さんであるように意識するようになりました。
するとおもしろいことに、何かとおまけをしてもらったり、良い時間を過ごせたと心の満足を得られるようになったのです。

何かを頼むときには「お願いします、ありがとうございます」と伝える。
ムスッとした店員さんにも、こちらは笑顔でコミュニケーションをとる。
一言二言、会話を楽しんでみる。

こちらのちょっとした心がけや笑顔が、相手と自分の一日をよりハッピーなものにするかもしれません。


「お客様は神様です」というフレーズは、元浪曲師であり演歌歌手である三波春夫氏によるものです。そのフレーズの真意は、彼がインタビュー時に語った下記の言葉に集約されていると思います。

歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払って澄み切った心にならなければ完璧な藝をお見せすることはできないと思っております。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです。また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。だからお客様は絶対者、神様なのです。

つまり、このフレーズはお客様側の心持ちではなく、サービスをする側の心持ちを表しているのです。

“お金を払っているのだから、良いサービスを受けるのは当たり前。”
“客としてお店を選んでやっているのだから、もてなされるのは当然。”
“お客様に対しては、できる限り何でもYESと言うべきだ。”

こういった考え方もありますが、これらについては少し立ち止まって考えるべきかもしれません。

お金を払えば、客という立場に立てば、自分は偉くなり、相手に敬意を払わなくても良いのでしょうか?お客様に対して、なんでも言うことを聞くことが良い接客なのでしょうか?

店員対客だけでなく、上司対部下、先輩対後輩、大人対子供、先生対生徒、たまたますれ違った道に迷う人対たまたま声をかけられた人、など…
どういった関係性、どのような立場であっても、相手に対する尊敬の気持ち、思いやる気持ちを持ち、それを表現することや、会話や共有する時間を楽しむ余裕を持つことが、相手はもちろん、自分自身を豊かにすることにつながるのではないか、とわたしは思うのです。

なにも、アメリカの文化が正しく、日本はそれを踏襲すべきだと言いたいのではありません。
一人ひとりが自分なりの周囲との関係性の持ち方、つくり方を考える必要があるのではないでしょうか。

東京オリンピック誘致の際に滝川クリステルさんが有名にした日本のOMOTENASHI
そのすばらしいおもてなしを受ける日本人の文化も磨かれていけば、より素敵な社会になると思います。

一分にも満たない時間の関係であっても、もう二度と会わない人とでも、気軽に相手との時間を楽しめる人が増えたら、そして私自身も、常に周囲の人に対して、感じの良い人であれたらうれしいな、と思うこのごろです。

最後までお読みいただきありがとうございます。
皆さんの考えや意見もぜひ教えてください!

ライター:もも

イラスト:にしぼりみほこ

ライター:
もも
ごく普通の新社会人。
環境問題や貧困問題、異文化交流、日本語教育、国際関係、日本(人)らしさ、社会にいいこと、に興味あり。
学生時代は経営学を勉強しつつ、国際交流とコスプレと、コーヒー屋のお姉さんをしてました。

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