7軒に1軒が、空き家
1年以上だれも住んでいない住宅のことを「空き家」と言います。2018年時点で国内の空き家は849万戸。住宅総数に占める空き家の割合は13.6%。じつに7〜8軒に1軒が空き家ということです。
空き家の数は1988年には394万戸でしたから、30年間で2倍以上に膨れ上がっていることになります。
きちんと管理されていない空き家は様々な問題を生み出しています。
雑草や木が隣家に侵入したり、ネズミや蚊など害獣・害虫の発生源になったり、ゴミの不法投棄や犯罪の温床になったりするのです。
空き家が増え続けた理由の一つに、税金の優遇制度があります。
土地を所有していると「固定資産税」と「都市計画税」という税金を納めなければなりません。これらの税金は、その土地に住宅が建っていると「住宅用地の特例」という制度が適用され、固定資産税は最大6分の1まで、都市計画税は最大3分の1に減額されるのです。
つまり、使わなくなった住宅でも取り壊さずにそのままにしておく方が土地にかかる税金が安くなり、土地所有者はお得になります。だからどんなに老朽化しても、取り壊さずに放置されてきたのです。
しかし、このまま空き家が増え続けるのは困ります。そこで2014年、国会で「空家等対策の推進に関する特別措置法」という法律ができました。この法律は適切に管理されていない空き家を「特定空家」に指定し、「住宅用地の特例」の解除などができるようにしています。危険な空き家は優遇税制が受けられなくすることで、土地所有者に空き家をきちんと管理するように求める法律なのです。
このまま空家が増え続けると、2033年には3軒に1軒が空家になってしまうという予測もあります。引き続き、空家を有意義に活用するための仕組みづくりが求められています。