大学入学者の社会人の割合はわずか2.5%
日本では、大学の学部入学者のうち、25歳以上の人の割合が2.5%(2018年)しかありません。
OECD(経済協力開発機構)加盟国の平均は16%ですから、日本人の社会人入学の割合は先進国の平均の6分の1ほど。
諸外国では一度社会に出たあと、再び大学で学ぶ「学び直し」の文化がありますが、日本ではそうした文化はまだ定着していないようです。
日本でも近年、社会に出てからも学び続ける「リカレント教育」という言葉がよく使われるようになりました。変化の早い時代になったことで自分の職業に活かせる先端の知識を学ぶ必要が出てきたり、長寿命化した現代で人生をより豊かにするために学び続けることの重要性が認知されてきたのです。大学などの各教育機関も少子化を背景に、若年者のみならずより幅広い世代の人に向けたプログラムを提供するようになっています。すでに2015年時点で、全国の大学のおよそ3割弱で社会人向けのプログラムを提供しているという調査結果もあります。
一見すると学び直しのための環境整備が進んでいるように見えるものの、実際の社会人入学は伸び悩んでいるのが現状です。
では、社会人の学びの意欲がないのかというと、そんなことはありません。日本の成人3,000人を対象におこなった意識調査を見ると、社会人になってから「正規課程で学び直しをしたことがある、または現在学び直しをしている」と答えた人が5.8%、「正規課程で学び直しをしたことはないが、公開講座や社会人を対象とした学習プログラムなどの短期の講座で学び直しをしたことがある、または現在学び直しをしている」が9.3%、「学び直しをしたことはないが、今後は学び直しをしてみたい」が29.3%という結果となりました。
日本でも学びたいと考えている社会人は少なくありません。しかし、それが実際の入学につながっていないのはなぜなのでしょう?そこには、さまざまな理由がありそうです。
OECDが各国の成⼈教育政策のパフォーマンスを7つの観点から評価した報告書によると、日本のリカレント教育は柔軟性が低く、労働市場のニーズにあっていないため、教育効果が高くないという結果が出ています。
日本のリカレント教育の評価
項目
日本のスコア
OECD平均
日本の順位
緊急性の低さ教育の改善に取り組むことの緊急性の低さ(⾼齢化・構造変化・国際化の状況等) 0.52 0.58 21位/34か国中 学習への参画個⼈や企業がどの程度、教育に参加・参画しているか(個⼈・企業の訓練実施率等) 0.43 0.51 26位/32か国中 包括性教育の機会がどの程度包括的か(参加者の性別・年齢・雇⽤形態の多様性) 0.44 0.50 21位/29か国中 柔軟性教育の機会がどの程度包括的か(参加者の性別・年齢・雇⽤形態の多様性) 0.10 0.45 33位/34か国中 ニーズ教育が労働市場のニーズに合致しているか(訓練の有⽤性、将来のニーズに対応した訓練の実施等) 0.15 0.57 31位/31か国中 効果教育の効果がどれだけあるか(賃⾦リターン等) 0.24 0.52 33位/34か国中
この問題に取り組んでいる団体
人生100年時代と言われる今、社会人の学び直し「リカレント教育」が国を挙げて推奨されています。
不登校・中退・ひきこもり等からの学び直し個別指導塾。学び直しで大学受験をする社会人も多く在籍しています。