1分間で消える森林面積 東京ドーム2個分

世界の森林面積は約40億ヘクタール。すべての陸地面積の3分の1近くを占めます。
近年、この広大な森林が過剰の伐採や、農地への転用、森林火災などにより減り続けています。
森林減少のスピードはすさまじく、2000年から2010年までの平均で、毎年520万ヘクタール。1分間で東京ドーム約2個分、1時間でおよそ127個分の広さの森林が地球上から消えている計算になります。
特に南米、アジア、アフリカなどの熱帯林の減少が目立っています。
ブラジルの国立宇宙研究所によれば、2019年に入ってから9月までの間に、ブラジル国内で13万1600件以上の森林火災が発生しました。2018年の約4万件と比較して見ると件数の異常さが目につきます。
1月〜8月までの焼失面積は、ブラジル国内だけで約4万3000平方キロメートル以上、日本の九州地方より広い規模の森林が失われたことになります。
農地や牧草地を作るために、意図的に火を放ったことが原因だと言われています。
植物をはじめとする「光合成生物」は、大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収し、その体内に留めておく機能を持つ唯一の生物です。空気中の二酸化炭素が、人間を含めた生物が生きていくのに適した濃度に保たれているのは、植物の光合成のおかげです。
もし森林がこのまま減り続けると、植物が固定していた二酸化炭素が大気中に放出されて空気中の二酸化炭素濃度が上がり、地球の温暖化と気候変動が進むと予測されています。
気候変動は地球規模の干ばつや森林火災などを引き起こし、さらなる森林の減少につながるという悪い循環にはまり込んでしまうかもしれません。
森林減少とそれによる大気中の二酸化炭素の増加を食い止めることは、今や世界的な課題です。
2000年以降、アメリカや中国、インド、ベトナム、ヨーロッパなどでは大規模な植林により森林が増加していますが、それでも、南アメリカや南アフリカなどの森林伐採による減少のほうが遥かに上回っているのです。
地球の裏側で起きている森林伐採が、巡りめぐって私たちの暮らしや生活にどんな影響を与えているのか。一人ひとりが想像力を駆使して、自分ごとにする必要があります。
この問題に取り組んでいる団体
森林保全のため、企業やNPOが協働するための情報サイト
https://www.reddplus-platform.jp/ REDD+とは、途上国が温室効果ガスの排出を削減したり、森林保全をした場合、先進国が途上国への経済的支援(資金支援等)を実施するメカニズム。REDD+を推進するためのプラットフォーム。
地球規模での環境問題に取り組む国際環境NGO。本部はオランダのアムステルダムにある。