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2020.08.22.Sat / update:2023.12.11

日本の医師の女性比率、22.8%

男性医師が、女性看護師2人に右手を上げて挨拶しているシーン

日本の医師の総数は33万9,623人。そのうち女性の医師は7万7,546人、女性比率はわずか22.8%です。(2020年)
2019年時点でOECD諸国平均の女性医師の割合は、50%を超えていますから、世界的に見て、日本の女性医師の比率はかなり低いのです。

なぜ日本ではこんなに女性医師が少ないのでしょうか?
その原因の一つが、入試で女子受験生を差別的に取り扱ってきたこと。多くの私立大学の医学部入試で、長年にわたって女子受験生に一律減点などの不利益を課す措置がとられてきたことが、近年明るみになりました。
2018年に東京医科大や順天堂大学、日本大学など10大学で、女子受験生や浪人生に対し、不当な一律減点や不適切な得点調整を行うなど、不正が行われていたことが判明し、文部科学省が改善を求めました。医学部入試における露骨な女性差別の現状が可視化された事件です。

このような女性差別的な措置をとっていた理由のひとつとして、「女性医師は結婚や出産で離職することが多く、女性医師が増えてしまうと、結果として医師不足に陥ってしまうから」と大学側は説明しています。
たしかに、未だに性別役割分担の意識が強い日本では、出産後の家事や育児を女が担当させられることが多く、そのため離職を余儀なくされている現状があることは否定できません。しかし、だからといって、女性医師を恣意的に抑制するために、公平・公正が大前提の受験の場で、女性差別的な取り扱いをすることが許されるはずはありません。
女性に差別的な取り扱いをする代わりに、女性医師が出産・育児で離職しなくて済むようなサポートを充実させたり、男女限らず育児負担を分担できるよう医療業界の文化を是正しない限り、いつまでたっても根本的な解決には至りません。

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