2018.02.10.Sat / update:2023.12.02
衛星軌道上の宇宙ゴミは1.7億個以上

地球の衛生軌道上にただよう人工物を、「スペースデブリ(宇宙ゴミ)」といいます。
宇宙船から外れたボルトや、はがれた塗装、宇宙飛行士が落とした手袋などの小さなものから、事故や故障によって制御できなくなったロケットや人工衛星といった巨大なものまで、さまざまなスペースデブリがあるといわれています。
スペースデブリは秒速7〜8kmという速さで地球のまわりを回っています。地上でライフル銃を撃った時の銃弾の速さが秒速1kmほどですから、その7倍ものスピードです。
デブリはとても危険で、10cmのデブリの衝突で衛星は壊滅的に破壊され、1cmのデブリでも宇宙船を不能にしてしまいます。1mmのほんの小さなデブリでも宇宙船のサブシステムを破壊してしまいます。
既に、スペースデブリと衝突したことによって衛星が故障したり破損したりした例もあります。2013年の映画「ゼロ・グラビティ」でもスペースシャトルが大破する原因として描かれました。
いったいどれくらいの数のスペースデブリがあるのでしょう?
正確な数はわかりませんが、推定では10㎝以上の物体が約2.9万個、1cm以上のものは約67万個、1mm以上の小さなものは1.7億個を超えるといわれています。
そしてデブリ同士がぶつかって、より小さなデブリに分裂することで、スペースデブリの数は爆発的に増え続けています。(この現象を「ケスラーシンドローム」と言います)
人類が抱えるごみ問題は、地球上にとどまりません。今後の宇宙開発において、このデブリをどうやって回収・除去するかは人類の課題です。