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2020.08.06.Thu / update:2020.09.10

日本の合計特殊出生率

日本のジェンダーギャップ_合計特殊出生率が1.36

女性が一生のうち子どもを何人産むのかを計るための指標としてよく使われるものに『合計特殊出生率』があります。これは15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計したものです。
日本では毎年、厚生労働省がその年の合計特殊出生率(期間合計特殊出生率)を発表しています。2019年の合計特殊出生率は1.36でした。

日本の人口規模を維持するために必要な水準は2.07とされていますが、1974年以降ずっと下回ったままです。
出生数は1973年の209万1,983人を境に減少し始め、2019年の出生数は初の90万人割れとなる86万5,234人でした。

内閣府によると、少子化の原因として考えられるのはおもに「未婚化」「晩婚化」だと言います。
30歳〜34歳の男性の未婚率は1975年には14.3%でしたが、2015年には47.1%まで上昇しています。
同じく30〜34歳の女性の未婚率は7.7%から34.6%に変化しています。
平均初婚年齢は40年前に比べ、男性が4.1歳上昇し31.1歳。女性は4.7歳上昇し29.4歳となっています。

しかし、問題はそれほどカンタンではありません。出生率低下の背景には、時代の変遷とともにライフスタイルが変化してきた現状と社会構造のギャップから生まれる様々な社会問題が絡み合っています。

・非正規労働や低賃金といった労働環境の悪化により、家族を設けることができない。
・女性の場合、出産がキャリアの中断を意味し、職場復帰が難しい。
・日本では法律婚海外のような事実婚が認められていない。
・夫婦同姓を強要されることに示される夫婦間でのジェンダーギャップに抵抗があり結婚に抵抗がある。
・シングルマザーとなったとき、男性と同じ給与水準の仕事に就くことが難しい。
・認可保育園の待機児童が解消されずに働きに出られない。
・教育分野への国の投資が不足していて、教育費の自己負担額が高額である。

数え挙げたらきりが無いほど、問題は山積みです。
それでも、少子化を国家的な危機として捉えるならば、出生率を改善するために目の前の構造的問題を解決し、若者や子育て世代に対して、安心して子どもを産むことができる暮らし作りのサポートが必要でしょう。

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本名・日下部智海(TOMOMI KUSAKABE)
福岡のスラム街出身。今春、大学を卒業した23歳。ヒモ。通称「ヒモっち」。
ヨルダンでシリア難民に助けられた経験から、難民問題やイスラームの記事を書くはずが、各国でヒモとして生活。ヒモ的視点からイスラーム情報をお届け。
近安 夏海
イラストレーター。イギリスの小さな港町の美大卒。特に興味がある分野はフェミニズム、環境問題とエシカルな消費、格差社会など。映画も好きです。
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船川 諒
WEBデザインと、記事の執筆&編集を担当しています。
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