東京大学の女子学生比率
日本でジェンダーギャップといえば、“政治”や“経済”分野が特に問題になりますが、このように教育分野においても大きなジェンダーギャップが存在しています。
イギリスの高等教育専門誌「THE(Times Higher Education)」が発表した「世界大学ランキング2020」によると、日本からは東京大学(36位)と京都大学(65位)がトップ100にランクインしました。
そんな日本最高位の東京大学ですが、学部生における女性比率は、わずか19.3%しかありません。(2019年現在)
また、東京大学と同じ旧帝国大学における学部生の女性比率は、北海道大学28.8%、東北大学26.6%、名古屋大学30.3%、京都大学22.3%、大阪大学34.3%、九州大学29.1%と、東京大学よりは女性比率が高いものの、半数に遠くおよびません。
一方、世界のトップ大学の女子学生比率を見てみると、オックスフォード大学(イギリス)46%、ハーバード大学(アメリカ)49%、北京大学(中国)46%、シンガポール国立大学(シンガポール)51%、シドニー大学(オーストラリア)58%となっており、日本のトップ大学と異なり、女子学生と男子学生の比率はほぼ半数です。
「2020年までに、社会の指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする」という目標を掲げたのは、2003年の小泉政権時代。
しかし、目標年限であった2020年を迎えてもなお目標と程遠い現実を前に、日本政府は2020年中の達成は不可能だと判断。期限を「2020年」から「30年までの可能な限り早期」に繰り延べする調整をはじめています。
先送りしてもなお「社会の指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度」という目標の実現は難しいかもしれません。
なぜなら、政界・財界・学術界・法曹界や科学の分野で指導的地位につく人材を育成しているはずの東京大学の女性比率が、2003年以降もほとんど改善されていないのですから。(2003年の15.6%から比べるとわずかに増えたものの、08年の19.3%以降はほぼ横ばいで推移している)