うまいセックスって、どういうこと?/あも会レポ
チャリツモでは、“性”をテーマにしたワークショップ「あも会」の内容を記事にしてお伝えしています。あも会は、チャリツモライターのそらが、都内にて月1回開催しているワークショップです。
あも会中にケタケタ笑っちゃった話、「あるある」ネタ、みんなで一緒に考え込んだことなどを紹介して、性というテーマの“おもしろさ”と“難しさ”をお伝えできればうれしいです。
さて、気になる今回のテーマは…「うまいセックスって、どういうこと?」です。
ライター紹介
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Shii(イラストレーター)
化粧品会社でデザイナーをしている。
白文鳥と同居し、生き物と植物をこよなく愛します。いろんなものに興味を持ち、フラットな目線を心がけています。食べることと寝ることが好き。
うまいセックスって、どういうことだと思う?
私は後から振り返ったときに、楽しかったり気持ちよかったりしたら、「うまいセックス」だったなと思える気がします。みなさんは、どうですか?
私は、逆に、セックス中に考えることが多いかもしれないです!相手の反応が良いときはうまくいってるなという感じがします。逆に、相手が無反応なときは「大丈夫なのかな…」と心配してしまいます。たぶん、そういうときは、あまりうまくいってないんだと思います。
そういう予感がするときって、たしかに、実際にすれ違いや不安が生じているかもしれないですね。
「相手が気持ちよくなってくれてるかな」と心配になると、その場を楽しめなくなります。ミッションみたいになってしまいます。
「楽しい」とか「気持ちいい」を考える以前に、「目の前のセックスをこなさなきゃ!」という義務感が出てきちゃうと辛いですよね。
だから、そういうときはコミュニケーションをとって、相手は何が楽しいのか?気持ちいいのか?というところを探りながら、楽しい方向に持っていきたいですね。
一緒に楽しい・気持ちいいポイントを探っていくというのは、私もすごく共感します。相手が男性でも女性でも、「この人ひとりで突っ走ってるな」と思ってしまうと冷める感じって、ありますよね。相手をおもんばかってほしいな、と思います。
相手の気持ちを推し量ることは大事ですよね!僕は、セックスって「普段の生活の延長線上にあるコミュニケーション」だと考えています。だから、相手が小さな気遣いを感じられたときに、「うまいセックス」ができたと言えるんじゃないかなぁ。
「うまいセックス」のポイントって、何?
そもそも、人間って、他人の感情や感覚を手に取るようにはわからないという基本を押さえることが大事だと思いました。だって、自分の感覚器と相手の感覚器って、つながっていないですもん!だから、「自分から言う」あるいは「相手から聞く」がないと、「お互いのことがわからない」という状況が続くんじゃないかな。これは、会話でもセックスでも、同じな気がします。
僕もそう思いました!「うまいセックス」に不可欠なのは、相手と自分の「心」と「体」に痛みや不快感が生じていないか、お互いに確認していくことですよね。だって、心や体にモヤモヤがあったら、心地よくないですもん!「相手をどう触るか」のようなテクニックの話ではないですよね。
雑誌やネットでよく見る「うまいセックスとはこれだ!」という記事って、「どう触るか、攻めるか」の話ばかりで、受け手、つまり体を触られる側の人の話があまり出てこないですよね。すごく不思議です…。もし「うまいセックス」をしたいのであれば、受け手側の人も、自分の心や身体の感覚を相手に伝える工夫が大事な気がします。
だって、自分の感覚は自分にしかわからないですもんね!相手にそれを知ってもらうためには、自分で伝えるしかない。
そう考えると、マスターベーション(オナニー、自慰行為)とか、自分で自分の身体を探っていくことってすごく大事ですよね!
自分の要望を言う/言えない問題
自分の感覚や気持ちを伝えるということに関しては、「自分ばかり要望を伝えていいのかな」と不安になるという声もよく聞きます。でも、その不安やモヤモヤこそ、相手に言ってみたらいいんじゃないかな、と思うんです。
不安やモヤモヤを伝えたら、その返答があるから、次につながりますもんね。「いや、自分はあなたに気持ちよくなってもらうのが好きだから、これからも要望を伝えてほしい」とか「じゃあ、自分は○○してほしいな」とか、次の行動のヒントになる。
お互いに、そういうコミュニケーションの工夫をし続けることが重要だなと思いました。例えば、「伝えるときになぜ不安なのか?」と考えてみると、日常生活の中でも「私はこれが食べたい」「今日はちょっとそういう気分じゃないなぁ」とか、相手に意見を伝える練習をしていくと、セックスのことも話し合いやすくなるかもしれないですよね。
自分から言えない理由として、相手のプライドを傷つけてしまうんじゃないかという不安も聞いたことがあります。
もともと自分自身が持っている価値観をひっくり返す勇気が、相手にないのかもしれないですね。
自分から変わる勇気がないということですよね。でも、冷静になって考えると、要望を自分から伝えたり、相手から伝えられたりするというやり取りは、もっとセックスを楽しむために、合理的だし、便利な技ですよね。
さっきも話に出たように、日常生活の中で、少しずつ要望や意見を言える/聞き入れられる関係性を築いていけるようになるといいですよね。
小さい行動で、次のセックスが変わる!
私はあまり相手に要望を言わないタイプなんですけど、「してほしいこと、実はうまく言えないんだよね」ってパートナーに話してみたら、パートナーは「え、言ってくれよ!」という反応でした。「え、言ってほしいんだ!」って少し驚きました。
相手からすれば、むしろ、要望を言ってくれたほうがありがたいですよね。
めちゃくちゃありがたいです!笑
そうですよね。だから、私は相手に言いまくりです!相手の触り方が自分の好みと違うときは、「それ、ちょっと違う」と、自分で実演して指南することもあります(笑)セックスがどんどん楽しくなりますよ~。
僕も昔、彼女に、「オーラルセックス※をしてほしいな」とずっと思っていたんです。でも、「AV(アダルトビデオ)を見ているのがバレたら軽蔑されるかな」と思って、怖くて、結局要望を言い出せませんでした。
言い出すときに不安がある気持ちも、わかります。Eさんは、そこから、何か行動してみたりしたんですか?
いえ、何も行動を変えなかったんです。モヤモヤしながらも、最初のセックスから、ずっと変化のないセックスを続けてしまっていたなと思いました。思えば、セックスに関する会話とか、セックス中の会話とか、彼女と全然してなかったなぁ。今日こうして話し合ってみて、当時、何か1つ、行動を変えるチャレンジをしてみてもよかったかな~と思いました。そうしたら、先の展開が変わっていたかもしれないですもんね!
行動したら、その先が変わりますもんね。小さい工夫やチャレンジをしてみることが、より楽しいセックスのきっかけになりますね!
あも会のまとめ
セックスの考え方やコミュニケーションについて、抽象的な話から具体的なコツまで、色々な深度で話せましたね!楽しかったです。
話し合いの中でも出てきましたが、「うまいセックス」って、別の言葉を使うと、楽しかったり、気持ちよかったりするセックスだと思うんです。なので、「相手の感覚や考えって、わからないよね」という基本的な考え方って、根本的で、すごく大事な土台だと思います。
今日は、コミュニケーションについて、その土台の部分をじっくり考える機会になりました。セックスを楽しくしたい、気持ちよくしたい、気持ちよくしてあげたい、という人みんなに、とても便利なコツだと思いました。
まさにそうです!参加者や読者のみなさんも、性の楽しさ、気持ちよさ、心地よさをぜひ追求していってほしいなと思います。それでは、またのあも会レポートをお楽しみに!
あも会のご紹介
あも会とは、都内にて月一で開催されている、性について楽しく対話をするワークショップです。2018年4月に始まって以降、年代問わず、ストレート(異性愛者)からマイノリティまで、多様な方に参加いただいています。毎回、笑いが絶えない、明るい対話の場となっています。
お子さんがいる方々からは「あも会で話し合ったことを、毎回子どもに伝えています」とコメントをもらうほど。
性に関するトピックは、私たちが生きる上で土台となる概念がたくさん詰まっています。でも、多くの人が、教えてもらえないし、相談する場所もない、という状況だと思います。そこで、みんなで楽しく笑い合いながら、考え合いながら、対話できる場があるといいなと思い、あも会を始めました。
グラウンドルールが守れる18歳以上の方であれば、性に関する話題に興味がある人、性について悩んでいる人、下ネタが好きな人、異性愛者、セクシャルマイノリティ、どなたでもウェルカムです!気になった方は、ぜひ以下のURLにアクセスしてみてくださいね。
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