ばあばのおだいどこから vol.15 〜東京都墨田区のシンミンジャさん〜

チャリツモが制作をお任せいただいている日本財団のインスタグラムで展開しているリール動画のシリーズです。
男女格差のより大きかったひと昔前、女性たちは家庭の中、とりわけ台所でその多くの時間を過ごしていました。
「置かれた状況がどのようなものであっても、主体性を失わずに生きようとしてきた奮闘と軌跡が先達の女性たちにもあるにちがいない、それも台所から生まれた何かがーーー」
シリーズの監督である関根愛(せきね めぐみ)さんは自身が長く体を壊した際、台所に立ち根気づよく食事に向き合っていくことで人生を建て直していった経験から、ふとそのように感じて本シリーズの制作に取り組みはじめました。
日本各地に暮らす高齢女性たちの声と物語を、台所を背景にお届けします。
15人目は、東京都墨田区のシンミンジャさんです。
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鍋で簡単豚キムチチャーハン
日本の植民地下であった大韓帝国から日本へ渡ってきたご両親のもとに生まれた、ミンジャさん。
「五分で出来ちゃうよ」と、慣れた手つきで鍋で作るキムチチャーハンを準備しながら、日本社会のなかで”在日朝鮮人”として生きてきた苦悩、そして長年つづけられてきた関東大震災時の朝鮮人虐殺事件の追悼活動に出会ったきっかけを話してくださいました。
<関東大震災朝鮮人虐殺事件とミンジャさんの活動>
1923年9月1日に発生した関東大震災の混乱の中で「朝鮮人が井戸に毒を入れた」「朝鮮人や社会主義者が暴動を起こした」などのデマを信じた官憲や自警団などが、隅田川流域を中心とした各地で大勢の朝鮮人を殺傷した事件。
ミンジャさんはこの虐殺で亡くなられた方々を追悼する団体「一般社団法人ほうせんか」の理事をつとめています。
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米粉のニラチヂミ
ミンジャさんのチヂミは、ニラと卵のとてもシンプルなもの。小さな子どももぱくぱく食べるくらい美味しいのです。米粉と小麦粉の両方のチヂミを作ってくださいました。
今回お伺いしたのは、”在日朝鮮人”としての自らのアイデンティティの深刻な葛藤、そして対人関係におけるはげしい葛藤のお話。
さまざまな葛藤を乗り越えてきたことや、これまでの追悼活動を振り返りながら、”平和”とは何か?について考え、伝えてくださいました。
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ごま油香る炒めワカメとツナのごまスープ
ミンジャさんの活動する「一般社団法人ほうせんか」の事務所では、食事会がひらかれることもあります。お肉がたべられない人でも、ツナ缶なら食べられて、しかも簡単に作れるということで、ツナ入りのワカメスープをふるまうことがあるそうです。
熱々のスープを作りながら、どんな想いで活動をしてきたのか、今どんな想いで活動をしているのかを、丁寧におしえてくださいました。
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『ばあばのおだいどこから』シリーズは、日本財団インスタグラムにて月イチペースで配信中です。
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