あぶらながし|見たことないかい?ごみ妖怪 vol.6

“ごみ”にまつわる現代の妖怪を紹介しているコーナーです。
ここではその姿や性格、生まれた理由や対処法などを解説します。
あなたの身近にも、周りを困らせるごみ妖怪、いませんか?
(このコーナーは日本財団インスタグラムにて連載中です。)
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vol.6
あぶらながし
揚げ物につかった油を、「捨て方がわからない」からとキッチンの排水口に流してしまう妖怪、それが『あぶらながし』です。
原型となったのは、熊本県の天草地方に伝わる『油すまし』という妖怪。 油すましは、箕を羽織り油の入った瓶を持った姿で、峠道に突然現われ通行人を驚かせたそうです。その正体は油を盗んだ罪人の亡霊だともいわれています。
油が貴重だった時代には、命を賭してまで手に入れられた油が、現代では簡単に使い捨てられている。ここに諸行無常を感じざるをえません。
さて、使い終わった揚げ油をシンクに流すとどうなるでしょう?
油は冷えると固まりやすく、排水管の内側にこびりつきます。やがて蓄積していき、最終的には詰まりの原因になります。
ちなみに東京都下水道局の資料によると、東京23区内だけでも油が原因の下水管詰まりが年間約300件発生していて、その処理には1件あたりおよそ10万円の費用がかかっているそうです。
しかも、排水管内に残った油は酸化・腐敗し、いや〜な臭いを放ちます。 家庭内の不快さだけでなく、下水道全体にも負担をかけているのです。
下水道の先にある下水処理場では、微生物の働きで水をきれいにしていますが、油は分解されにくいため処理の妨げになります。
余計な油が混じれば、処理の効率が下がり、余分なコストがかかり、やがては下水道料金にも跳ね返ってくる可能性があります。
そして、下水処理をすり抜けた油が川や海に流れ出すと、魚や水生生物の呼吸を妨げたり、水中の酸素濃度を低下させたりして、さまざまな生態系に悪影響を及ぼします。
あぶらながしの軽い行為は、じつは重い結果をもたらすのです。
ではどうすればいいのでしょう?
揚げ油は一度で捨てずに3〜4回は再利用できます。最後は炒め物などに使って、できるだけ無駄なく使い切るのがおすすめです。
いよいよ捨てるときは、冷やしてから古布や新聞紙に吸わせたり、市販の凝固剤で固めて可燃ごみに出しましょう。(くわしい捨て方はこちら)
食器の油汚れも、ちり紙などで拭き取ってから洗うと排水施設への負担がグッと減りますよ。
もしもどこかで、あぶらながしを見かけたら、正しい対処法を教えてあげてください。
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