ウェルフェアトリップ|vol.4 石見神楽をささえる「いわみ福祉会」

「福祉」って何でしょう?
必要ない時は遠いことのように思える福祉ですが、誰もが歳をとって自然に身体が不自由になれば、一気に距離は近づきます。
また、子どもができたときにも、親の介護が始まったときにも世話になるのが福祉です。
そう、実はとても身近な存在なのです。
辞書によると、福祉は「幸せ」「豊かさ」を意味する言葉であるとともに、「市民に最低限の幸福と社会的援助を与える理念」だと書かれています。つまり福祉とは「人を幸せにすること」なのです。
ウェルフェア・トリップは、「しあわせとはなにか?」を探るために福祉の場や福祉に関わる人たちを訪ねる小さな旅。
旅人は福祉の世界に精通するライターの羽塚順子さんです。
今回の目的地は、島根県石見地方。
ここで、石見神楽の衣装や面、蛇胴(じゃどう)と呼ばれる道具などを製造・販売している「いわみ福祉会」を訪れます。
(このシリーズは日本財団インスタグラムにて配信中のコンテンツです)
* * *
第1話
子どもたちが深夜まで熱狂する神社のヒーローショー!?
古くから島根県西部に伝わる伝統芸能の石見神楽(いわみかぐら)。日本中の神様をお迎えする神職の神事から、明治以降は土地の人々の手に渡り、民俗芸能・里神楽として独自の発展を遂げました。
全国の神様たちが出雲にお出かけになる10月は一般的には「神無月(かんなづき)」と呼ばますが、神々が集結する島根では「神在月(かみありづき)」と呼ばれ、夜になると地域の神社で石見神楽が恒例行事となっています。
そんな生活の一部として地域に根付く神楽がどのようなものかを知りたいと、島根県浜田市の神社を訪ねてみました。
軽快なテンポの囃子と、華やかな衣装の舞手が次々登場する演目、ファイナル演舞は花火使いの素戔嗚尊(すさのおのみこと)が、とぐろを巻いてうごめく大蛇を何頭も退治するという、まるでヒーローショー。
お宮の畳で、観客と一体になって所狭しと深夜まで繰り広げられる神楽に、子どもたちは大はしゃぎ。自分たちの役割や出番をうずうずしながら待ち構え、出番が来たら演者に向かってダイブする。そんな子どもたちの姿を、大人たちは温かな目で見守ります。
今日から3回にわたってお送りするのは、この石見神楽の衣装類を手掛ける福祉作業所のお話です。
初回となる今回は、石見神楽の金刺繍の豪華絢爛な衣装、お面、長さ15メートルもの和紙製の大蛇など、装具製作に手仕事で取り組む、神楽ショップくわの木(いわみ福祉会)を訪ね、所長の渉秀之さんにお話を伺いました。
次回は、高度な技術を要する金刺繍を継承した、特別支援学校卒業生の若者と、お父様から伺ったお話をご紹介します。
* * *
つづきは次のページへ




















