ウェルフェアトリップ|vol.4 石見神楽をささえる「いわみ福祉会」

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第3話(最終話)
地域に貢献して50年余り、福祉施設で渋沢栄一賞を受賞
島根県西部で、地域に根付く秋祭りの石見神楽(いわみかぐら)を演出するのが、華やかな金刺繍の衣装やお面、和紙製の大蛇など。
これら装具類の原材料となる和紙の楮(こうぞ)の木を育てるところから、和紙を漉き、装具類の色付けや仕上げまで、細かく分業しながら、すべてを手仕事で製作しているのが、いわみ福祉会の障がい者の方々です。
昭和50年代から、年月をかけて地元の職人さんに習い、障がいのある方々と職員やパートの方々とでチームを組むことによって、地域の仕事と雇用を生み出してきました。また、後継者不足で廃れゆく地場産業と職人技術、文化継承にも大きく貢献。
障がい者と支援者と地域の方々で一体となった石見神楽演舞チームでの海外遠征など、国内外で高い評価を得ています。
全国の「伝福連携(伝統と福祉の連携)」の中でもお手本となるいわみ福祉会の取り組み。しかし、ここまでの50年余りの道のりは、決して平坦ではなかったそうです。
最終回となる今回は、いわみ福祉会理事長の室﨑富恵さんにお話を伺いました。また、石見神楽の装具類の素材となる和紙漉きの作業現場で、特別支援学校を卒業した和紙職人の先輩に憧れて働くようになった小松原元紀(もとのり)さんにもコメントをいただきました。
室﨑さんは、次女の障がいをきっかけに、1973年、障がいのある子どもたちの親を中心に、いわみ福祉会を設立。まだ障害者福祉制度が整っていなかった当時、地域で自立して生きていけるようにと、民間での下宿やホーム、自立生活訓練などの先駆的な試みをしてきました。
現在、地域の障害者福祉、介護福祉と40の事業を展開。2023年、室﨑さんは、社会福祉法人の理事長としては初の渋沢栄一賞を受賞されています。
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