明るく楽しく“性”について語り合うイベント「あも会」に行ってきました!

セックスに対する疑問や悩み、1人で抱えていませんか?性に関する話って、友達同士でも意外と話しづらいもの。
毎月1回、都内某所で開催される「あも会」では、セックスの楽しさや悩み、パートナーとのコミュニケーション、アダルトコンテンツとの付き合い方など、性に関するあらゆるトピックをゆるっと楽しく話し合っています。
これまでの開催回数は10回。毎回10名前後の少人数制です。
年齢やセクシュアリティを問わず、どなたでも参加することができます。
今回であも会3度目の参加となるゾノが、あも会の魅力や主催者へのインタビューをレポートします!
今回のあも会のテーマは、
(1)夫婦などの親密な関係でなぜコンドームを使うのか?
(2)出産の快感を追求しない(できない)のはなぜか?
産婦人科医のS先生をゲストにお呼びし、10名の参加者とともに話し合います。
議論の前に、あも会のルール説明です。和やかな雰囲気でありながらも、ルールはきちんと決められています。
参加者が気持ちよく対話するためのルールが書かれています。
その後、自己紹介を行います。このときは会社員やお子さんのいる方、自ら性のコンテンツを運営している方など、様々な立場の方が参加していました。
夫婦のセックスでコンドームを使うのはなぜ?
いよいよ、本題に入ります。最初のテーマは「夫婦などの親密な関係でなぜコンドームを使うのか?」
みなさんご存知の通り、コンドームの使用目的は大きく分けて2つあります。1つは避妊、2つ目は性感染症(STD)※1予防です。
まず、避妊についてですが、S先生はコンドーム以外の選択肢として、ピル(低容量ピル)や子宮内避妊用具(IUD)※2等のコンドーム以外の選択肢を挙げ、また日本にはない避妊法として、避妊パッチや注射法、膣内リングなど、多種多様な避妊方法も紹介されました。
日本では多くの人がコンドームかピルかの2択から選んでおり、コンドームの使用率が極めて高くなっています。この傾向は、世界的にみると非常に遅れているのだそう。
S先生は、あらゆる避妊方法の中で、自分のライフスタイルにあったものを選ぶ、「避妊のオーダーメイド」をすすめています。
また、性感染症(STD)予防という側面について、S先生は「いろんなパートナーとセックスをしてみたい方が、コンドームを利用するのは分かる」と話す一方、「”カップル”という、閉じられた関係性において、相手に性感染症がないと判断できれば、コンドームをつける必要はないのかもしれません」と言います。
そして、梅毒などのコンドームでは防げない性感染症もあるため、「コンドームをつければ安心」という日本の風潮に疑問を投げかけていました。
参加者からは、「そもそも性感染症検査のハードルが高い、他の感染症と違って、テレビでも放映されていない」といった意見や、「食事やファッションは自分で決めるのに、肝心の性に関しては、相手(男性)任せだった」という感想がありました。
私自身、「避妊・性感染症予防=コンドーム」というイメージは、もはや当たり前すぎて疑問に思ったことすらありませんでした。避妊方法がこんなにたくさんあることを、学校の性教育でも、教えられた覚えがありません。
自分のライフスタイルにあったものを選ぶための情報が、あまりにも少なすぎますね。学校でも教えて欲しかった…!
出産=苦痛ではない。気持ちいい“快感出産”を目指しては?
2つ目のテーマは「出産の快感を追求しない(できない)のはなぜか?」
産婦人科医として、あまたの出産現場に立ち会ってきたS先生は、出産を快感で迎えた方をたくさん見てきたそうです。あまりにも気持ち良くて、産んだ直後に「もう一回産みます!」という方も。
これには参加者からも「え〜!!」という驚きの声が。
具体的には、陣痛の流れに沿った呼吸法を行って、陣痛を耐えたり、痛みが過ぎ去って気持ちよくなったり・・・を繰り返したのち、スッキリ出産!となるようです。
陣痛時の子宮の律動的収縮は、セックスでオーガズムを迎えた時におこる、子宮や膣の収縮と同じ仕組みだそう。オーガズム後の開放感と、出産後の開放感も、感じ方としては非常に近く、S先生は「この気持ち良さは、性的な快感(オーガズム)の延長線上にある。出産で快楽を追求してもよいのでは?」と言います。
そもそも、なぜ「出産は痛いもの」とされているのでしょう?
大きな理由の一つに、会陰切開(えいんせっかい)があります。「会陰」は、膣と肛門の間あたりにある部分を指します。ここがうまく伸びないと、裂けてしまったり、赤ちゃんがなかなか出てこられなかったりすることがあるため、切開することがあるのだそうです。
デリケートなところを切開される…出産経験のない私も、想像しただけでゾッとしてしまいます。やむを得ず切開が必要なケースもありますが、必要以上に切開されすぎているのが現状だそうです。
ちなみに、切開する上で妊婦さん本人の同意を取ることは少なく、切開の判断は医師の力量に任されることが多いとのこと。
私たちには「産む産まない」という選択はもちろんですが、「どんな風に産みたいか」を選ぶ権利もあります。会陰切開などを含め、産み方の希望や緊急時の対応などをきちんと話し合える医師を探したり、担当医と互いの意見を尊重しあえる関係性を築くことが大切だと思いました。
S先生は最後に、「避妊もそうだけれど、自分たちのベストってなんだろう、と常に意識してほしい。みんながやっているから私も、という風潮は変えていきたい」と語りました。
「快感出産」という言葉を、私は初めて聞きました。そもそも、出産について考える機会は、普段ほとんどありません。出産経験のある方も、妊娠してから考え始めたという方が多いのではないでしょうか。
参加者の方からは、「知らないことばかりだった」「周囲の方に広めていきたい」「思考停止しないことが大事」「帰ってから子どもと一緒に話したい」などの感想がありました。

自分の価値判断を大切にしよう、と思えるきっかけになった!
あも会に参加するまで、人前で自分のセックスの話をする機会はほとんどありませんでした。友達と話しても、なんとなく気恥ずかしくて下ネタ止まり。ネットの情報は「一般論」ばかりで、自分だけかも・・・と、さらに不安になることも。
対話を通じて、自分の経験を率直に話すと、実はあのとき嫌だと感じていた、とか、あの行為は嬉しかった、とか客観的に振り返ることができます。
そうすると、「一般論に照らし合わせてどうなのか」という判断ではなく、「自分がどう感じたか」を基準にして、コミュニケーションをとろう、自分の価値判断を大切にしよう、と思うようになります。
徐々にではありますが、性のことだけでなく、日常の考え方そのものに変化が出てきました。
セックスに対するモヤモヤや悩みを抱えている方、性についてもっと話したい方は、ぜひあも会に足を運んでみてください。
参加希望の方はこちらへ直接お問い合わせください。
あも会ブログ
https://amorestaff.tumblr.com/
問い合わせ先
amore.info.sg@gmail.com(※応募者が多い場合は抽選となります。)