2024.01.11.Thu
気候変動により故郷を追われる人、推計1億1,720万人
気候変動によって、故郷を追われる人が増えています。
近年、干ばつや洪水、ハリケーンなどの異常気象が続くことや、より長期的な変化である海面上昇や砂漠化によって、これまでの地域に住むことができなくなってしまう人々がいるのです。気候変動によって移動を強いられる人々の多くは、もともと紛争などの影響で気候変動の影響を受けやすい地域に設置された難民キャンプで暮らしているなど、弱い立場にいる人々です。
こうした人々のことを「気候難民(Climate Refugee)」と呼ぶことがあります。これまでの「難民」の定義には当てはまらないため、正式な名称ではありません。
国連によって定められた「難民の地位に関する1951年の条約」(いわゆる難民条約)によると、難民は「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れた」人々と定義されているのです。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)による推計では、2023年に気候変動によって国内避難民や難民、無国籍となった人は約1億1,720万人だといいます。
また、これまでの定義で国内避難民・難民とされる人々のうち、気候変動に対して脆弱な地域出身の人は、7割以上だと言われています。気候変動への脆弱さとその他のリスクが密接に関わっています。