自分の好きなことを仕事にしたい。憧れの仕事で成功したい。という夢を持つ女性にとって、ロールモデルとなる女性の存在は大きい。
しかし彼女たちのインタビューの内容はその“経歴”に着目されがちで、私たちはその成功の裏にある“ストーリー”を知らない。
彼女たちのストーリーを知ることができれば、私たちはそこから何かを得たり、励まされたりするはず。
この連載では、様々な分野で活躍中の自分らしく輝く女性たちのストーリーを紹介していきます。
ライター紹介
国際人権NGO勤務。博物館学芸員資格保持のファッションオタク。
“Empowered Women Empower Women.”
オフィスを出てから楽しみにしていることは、翌日にまたオフィスに来て次の仕事をすること/菊地 恵理子
子どもの頃の夢は?
犬や動物に囲まれて暮らすこと。
今は北海道にも拠点があって、大自然の中で犬と家族と住んでいるので、子どもの頃の夢が叶っているかも知れません。
自分がやりたいことに気づいたのはいつ?
私の場合時間がかかりました。
高校生までは特になりたい職業について考えていませんでしたが、国連に漠然とした憧れがあったので国連関係者を多く輩出している大学に進学しました。
でも大学生になって、国連に入るには修士号が必要だったり、幾つかの言語を話せないといけないと知り、自分には難しいかなと感じていました。
そんな想いを持った大学3年生の頃、マザーハウスの山口絵理子さんなど社会起業家の方の存在を知り、ソーシャルビジネスに関わってみたいと思うようになりました。
しかし当時の自分は、何に対してアプローチするのかもどのように関わっていいかも分からなかったし、そんな力がないと思っていたので、今後自分がやりたいことを見つけたときにやれるようになっていようと思いました。
そうしてまずは新卒で人材会社に入社して企業の採用支援などをしていたころ、“グローバル人材”という言葉が一人歩きしているように感じました。そこで、グローバルな人材を育てることに着目して、その結果個人の集合体である企業が成長することになればいいのではと考えるようになり、海外インターン事業を始めました。
駆け出しの頃役に立ったアドバイスは?
“桃太郎理論”!
ビジネスを起こすのにあたって必要なチームメンバーに宿る役割は、桃太郎に登場する「桃太郎」「イヌ」「サル」「キジ」の4つのキャラクターになぞらえることが出来るというものです。起業準備をしていた頃、六本木にある起業家の集まるバーで出会った起業家の方に教えていただきました。
起業は一人でやる必要はなく、仲間と補い合うことができる。
そもそも仲間が集まらないような事業であれば、やらないほうがいい、ということですが、起業をする際に背中を押してくれた言葉です。
キャリアの中で経験した最大の成功や誇りは?
人生が変わる瞬間を見ることが出来ること。
海外研修の機会を提供する際、私自身も研修に同行することがあるのですが、参加者が自分の常識や価値観を塗り替えて、人が変わっていく瞬間がはっきりとわかるんです。その瞬間に立ち会うと、この事業を始めて良かったなと思いますね。
長い1日の仕事を終え、オフィスを出てから楽しみにしていることは?
東京のオフィスに通っていた時は、またオフィスに来ること。次の仕事をすることです。
昨年第1子を出産してからは、東京と北海道の2拠点生活を送っています。
北海道にいるときは自宅で仕事をして、子育てもしているので、あまり境目はありません。子どもと遊んだり、自然の中で過ごしたりすることでリフレッシュしています。
妊娠中にセブ島に2ヶ月滞在して、現地の語学学校に通いながら、現地の企業に営業や挨拶をしていたのですが、東京とセブを往復している中で、自然の中で子どもを育てたいと思い今の生活を始めました。
1日の良いスタートを切るために、朝いちばんにすることは?
家の周りの大自然の中で散歩をしたり、温泉に入ったり、ストレッチをしながらその日やることについて頭の中で整理します。
夜通し考えてしまうような不安や悩みは?
あまり悩まないです。
悩んだり考えたりするより先に行動するタイプなんです。それで失敗することもありますけど(笑)。
悩んでいても大した結論は出ないので、「見る前に飛べ」だと思っています。
同じ職種の女性の尊敬するところは?
子育てしている女性起業家の方を見ていると、子育てと仕事、どちらも素晴らしいパフォーマンスを発揮するところ。子どもを育て始めると本当に時間がなくて、やらないといけないことが多い中で両立している人は本当に尊敬します。
そうした人の中には、“子育てはこうじゃないといけない”といった固定概念に囚われず、気負わずに楽しんでやっている方が多いと思いますね。
あなたの座右の銘は?
“No time for hesitation! ― 迷っている暇なんかない!― ”
新しいアイディアが必要な時や、モチベーションを上げたい時の特効薬は?
徒然を書くこと。
自分で自身の行動が足りていないなと感じたり、なんとなくモヤモヤしているときに、考えていることを言語化するために携帯のメモに書き出しています。
仕事のことや家族との関係性など、“もっとこうしたい”と思うことを書いていって、その後会社のメンバーにその内容を相談したり、家族と話したりして、実際に行動に起こします。
1日があと3時間増えたら何をする?
サステナブルな暮らしを追求すること。
もっと自宅の畑を手入れしたり、美しい自然の中で暮らすライフスタイルを発信したりしたいです。でも結局仕事をしちゃう気もするな。
世の中にもっとあって欲しいものは?減って欲しいものは?
あって欲しいものは自然と人間の自然体さ。減って欲しいものは先入観。あとはプラスチックも(笑)。近所を歩いていても、森の中にプラスチックが落ちているのを目にするので。もっとみんなが自分らしく、自然体で生きられるようになって欲しいし、地球の自然の美しさを守りたい。
今後の展望は?
世界中の人たちに“その人らしさ”を発揮できる機会を提供したい。着火起爆剤であり、その燃え続ける火の受け皿でもありたい。
自分の会社を大きくすることも、自然の美しさを広める活動も、仕事とライフワークという風に分けて考えるのではなく、どれも全力でやっていきたいです。
“Empowered Women Empower Women.”