自分の好きなことを仕事にしたい。憧れの仕事で成功したい。という夢を持つ女性にとって、ロールモデルとなる女性の存在は大きい。
しかし彼女たちのインタビューの内容はその“経歴”に着目されがちで、私たちはその成功の裏にある“ストーリー”を知らない。
彼女たちのストーリーを知ることができれば、私たちはそこから何かを得たり、励まされたりするはず。
この連載では、様々な分野で活躍中の自分らしく輝く女性たちのストーリーを紹介していきます。
ライター紹介
国際人権NGO勤務。博物館学芸員資格保持のファッションオタク。
“Empowered Women Empower Women.”
強い女性たちと働く中で自分自身も強くなりました/葛西 伶
HER STORY vol.01
葛西 伶
国連難民高等弁務官事務所職員
子どもの頃の夢は?
戦場カメラマン。小学校中学年の時に父が買ってきた、紛争地で暮らす子どもを撮影したロバートキャパの写真集を見たのがきっかけ。父は私に、私と同世代の子どもでもそんな状況で暮らす人がいることを教えたかったみたいだけど、私はそれを撮る側になりたいと思ったんです。
今の仕事を知ったのはいつ?なぜ惹かれた?
写真集をきっかけに戦争というもの自体にずっと興味があって、なんで戦争をするんだろうということから始まり、紛争地域では人々はどんな生活をしているのかを知りたかった。でも親に戦場カメラマンになることは止められたんです。(笑)その後高校生の時に『緒方貞子 戦争が終わらないこの世界で』を読んで、国連職員という仕事を知りました。国連職員は戦争を減らしたり平和構築をしたりするといったざっくりなイメージでしたがその時から興味を持ちましたね。
キャリアに影響を与えた学生時代の経験は?
高校時代にスイスの高校に編入して結局スイスの大学を卒業しましたが、留学した最初の目的は国連の公用語であるフランス語を学びたいということでした。言語という意味では今の仕事に直接繋がっていると思います。日本にいた時は地方に住んでいましたし、周りに海外経験がある人も少なかったですが、スイスでは高校時代に国連職員の日本人の方とお会いする機会があったりして、いろいろと視座が広がりました。
キャリアの中で経験した最大の成功や誇りは?
UNHCR駐日事務所は主に日本政府への政策提言や広報活動を行っており、一つ一つのプロジェクトが長い時間をかけて様々な人が関わって実現されるものなので、自分自身の成功という意識はあまり無いですが、難民の方々との関わりの中で、「ありがとう」と言われることは嬉しいですしやりがいを感じますね。
自信をなくしたり苦境に立たされた時の立ち直り法は?
とことん自分を肯定すること。コンビニスイーツを食べること。(笑)
駆け出しの頃役に立ったアドバイスは?
「能動的になりなさい」
大学院を卒業した後、大手コンサルティング会社で働き始めた時に上司に言われたことで、今でも意識している言葉です。与えられたタスクをこなすだけでなく、それが何の為になるのかを考え相手の想像している期待値を超えることが大切だと思います。
同じ職種の女性の尊敬するところは?
強い!人を助ける仕事である国連職員の女性たちは、優しいだけでなく精神的に強いと感じます。不測の事態に立たされた時にすぐに対応しようとする強さに私自身も影響を受けてメンタルが強くなりました。
女性の多い職場で感じることは?
前職は男性の多い職場だったので、国連に入ってから、女性との仕事の仕方を学びました。思い返すと、前職では正直女性が少ない環境であったからこそ有利だったこともあったと思います。国連では職場で女性がマジョリティであることが多いので、性別に関わりなく仕事ができるやり易さがある一方で、全員が同じ土俵であるからこそ自分の能力を常に示していかなければならないと感じます。
あなたの座右の銘は?
「置かれたところで咲きなさい」
すぐに結果の出る仕事では無いからこそ、今できるところまでやりきることの重要性を感じます。
夜通し考えてしまうような不安や悩みは?
今後のキャリアについては日々悩んでいます。楽しみな気持ちと不安が半分づつですね。
自分の性格でいちばん好きなところは?
よく笑うところ。笑顔でいればなんとかなると思っています。
世の中にもっとあって欲しいものは?
人間同士の“違い”を認識すること。受け入れなくてもいいけど、“違う”ことを認識することが必要だと思います。
“Empowered Women Empower Women.”
5年勤めた製版会社を退職し、フリーランスで活動中。 映画、韓国のカルチャー、猫が好き。
チャリツモの猫たちではビリー推し。
http://kameillust.com/
学生時代、中東地域やインドを中心に旅をしていた。
旅人マインドをもって気ままに生きてる。