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2019.01.26.Sat

中米からアメリカを目指す難民キャラバン、約1万人

エルサルバドル、ホンジュラス、ガテマラ、ニカラグアなどの中米の国々は、著しい貧困や治安の悪化、組織的暴力、さらに表現及び言論の自由の欠如といった問題により、一般市民の日常生活が脅かされています。
こうした状況を背景に、アメリカへの移住を目指し、中米(特にホンジュラス)から約1万人が集団「キャラバン」で北上しており、世界から注目を集めています。
今回のキャラバンはSNSでの呼びかけがきっかけになったもの。はじめは150ほどだった参加者が徐々に増え、今では参加者は1万人近くとも言われている。
これに対し、共和党のトランプ大統領は「野党である民主党の甘い移民政策のせいで、アメリカが侵略されようとしている」と、一貫して民主党を批判しています。

今回の集団北上を受け、アメリカは、アメリカ・メキシコ間国境の警備強化のために、2億1,000万ドルの予算を投じ、約6,000人の兵士を派遣しました。
国境を渡ってくる難民申請者に対し、軍隊を持って対峙する姿勢を明らかにしたのです。
会見でオショネシー司令官は「国境の警備は国の安全保障問題だ。国防総省は国境警備に必要な支援を続ける」と述べました。また、トランプ大統領は、ツイッターに「移民集団には、大勢のギャングや非常に悪いやつがまじっている。これはわが国への侵略であり、軍が待ち構えているぞ!」と書き込みました。一貫して「不法移民」に対する厳しい姿勢を示し、共和党支持層へのアピールをしました。

一方、こうしたアメリカの姿勢に対して、国内外からの反発が止みません。国際法およびアメリカの法はともに、難民または政治的亡命者(Asylum seeker)の受け入れは、罰則こそないものの先進国の責任としています。つまり、政治経済または治安的情勢の厳しい国から、近くにある先進国へ政治的亡命することは、基本的人権として認められているのです。
難民の受け入れを拒否することは、いかなる方法で入国した場合でも、人権問題や国際問題となります。
アメリカは、中米の市民にとって地理的に一番近くに存在する先進国に当たります。また、中米の情勢を考慮すれば、北上してくる人々が、難民あるいは政治的亡命者と考えられます。
これまでも、国際法を度々無視してきたアメリカですが、本件も例にもれず、難民申請拒否を正当化するために、新たな法的措置の執行(特定の難民申請方法以外による難民申請の拒否)を検討しました。しかし、その発表後間も無くアメリカ連邦裁判所より、措置の差し止め処分を下しました。

アメリカは今後、メキシコとの国境に押し寄せる難民申請者に対して、どのような対応をとるのでしょうか。
今、世界中が注目しています。

ライター:やじま ゆうさく

編集:ばんゆかこ

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やじま ゆうさく
米国インディアナ州に住む学者です。
主にアメリカ、フィンランドにて教鞭を執っています。
ウィキペディアフェローも兼任。
専門(博士号)は文化とコミュニケーション及び教育ですが、他にもグローバリゼーション、ポストコロニアリズム、アジア学、日本学、現象学など、多岐にわたり興味関心があります。
趣味は、読書、料理、ピアノ、ギター、バスケットボール、ハイキング、テニス、ランニング(マラソン)、ボクシング。

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