世界の選挙をのぞき見隊!その6〜ミャンマー編〜

日本はもうすぐ参院選です!
2019年は選挙イヤーと呼ばれていて、3年に一度の地方統一選と、4年に一度の参院議員選挙が重なる年なんだって。
選挙といえば、選挙カーが走って、選挙ポスターが張られて、新聞の折り込みに地区の候補者の情報がならぶ。選挙日が公示されたら投票用紙が家に届く。そして期日前か日曜日の投票日に、投票しに行く…
若年層の投票率は低く、毎回選挙キャンペーンが行われるがあまり振るわない…
こんな選挙が当たり前だと思っていませんか?
ちょっと世界の選挙事情を見てみると、あらら?これまでの選挙の常識が覆されるような多様な選挙の姿があるようです。
さあ、チャーリーと一緒に世界の選挙をのぞき見してみましょう!
※このコーナーは、各国で選挙権を持つ人へのアンケートと調査をもとに執筆されています。

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ミャンマーってどんな国?
東南アジアにある国、ミャンマー。ミャンマーにはなんと、130以上もの民族が暮らしているんだって。70%は多数派のビルマ族。そして90%が熱心な仏教徒なんだけど、その他の宗教を信仰している人もいるよ。
あまり知られていないけど、海に面しているので、海の幸を使ったミャンマー料理もおススメだよ。
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ミャンマーの政治
ミャンマーでは、1948年にイギリスの植民地から独立した後、1962年に軍のクーデターが起こり、社会主義政権になったんだって。
そのあと、民主化運動が盛り上がったのだけど、1988年に軍が国民を弾圧してから、25年ほど軍事政権が続いていたんだ。
軍事政権の時は、言論の自由はない。政府に反対することをいう人たちは、徳獄されてしまったんだって!
アウンサンスーチーという女性活動家を中心に、民主化運動をしていたのだけど、彼女自身も自宅に軟禁された。軟禁された期間はなんと15年間!
その間にノーベル平和賞も受賞したんだよ。
軍事政権は、国際社会から批判されていて、経済制裁なども行われていた。そのため、2015年に行われた選挙では、軍事政権を変えたい、と思った国民の支持によって、アウンサンスーチーが代表の国民民主連盟(NLD)という政党が勝利したんだって。
NLDが勝利したからといって、アウンサンスーチーが大統領になった!というわけではないんだ。実は、ミャンマーの憲法では、外国籍の子どもがいる女性は大統領になれないんだ。
だから、アウンサンスーチーは「国家顧問」という立場で、事実上国を動かしているんだって。ちなみにミャンマーでは、大統領は国民が直接選ぶのではなく、議会が大統領を選ぶことになっているよ。
軍事政権の間は、日本をはじめ先進国も援助などをできない。なので、ミャンマーは東南アジアの中でも特に経済発展が遅れてしまったんだ。
軍事政権の問題ばかり報道されてきたけど、130以上もいる民族間の対立もあったり、少数民族のデモが頻繁に行われているんだって。
世界的にも大きく報道されているものには、ロヒンギャの問題があるよね。ロヒンギャと呼ばれるイスラム教を信仰する少数民族が、ミャンマーで迫害をされている。隣の国のバングラデシュなどで、避難民として劣悪な環境で生活をしているんだよ。
民主化した後も、少数民族に関する問題については大きな改善がないみたいで、国内外から批判も出ているんだ。

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ミャンマーの選挙
ミャンマーでは、学校や公的機関が投票所になって、投票が終わったら小指をインクに浸すので、選挙に行ったか一目でわかるんだ!複数投票を防ぐために行っているんだって。
2015年に25年ぶりに総選挙がおこなわれ、民主政権が誕生した。その時の投票率は70%ほどだったそうだよ。
でも、議席のうち25%は、軍のメンバーが抑えることになっているんだ。
憲法を変えるためには、議会の75%以上の賛成が必要だから、軍の賛成なしに、憲法改正はできないようになっているよ。
民主化運動を主導したアウンサンスーチーが国家顧問になった今でも、政府の中で軍は力を持っているんだ。
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選挙に関する情報は、知人から人づてで集めるか、FacebookとかのSNSで手に入れるかどちらかかな。選挙に関する情報収集については、全然満足していないよ。もっといろんな情報が手に入るといいんだけど。