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2019.03.01.Fri

“おうち育ち”な我が家の事情

第5話 だってそう決めてるから

ごあいさつ

hohimaro似顔絵

こんにちは。チャリツモライターのhohimaro(ほひまろ)です。
学校や園に行かず、家庭を主な学び、育ちの場として過ごす三人の娘の母です。
学校に「行けない」日々の末に「行かない」選択をした長女(14歳)と二女(11歳)。
そして「園には行きたくない」としっかり主張した三女(5歳)。
そんな我が家の日常を、心を込めてお伝えしていきたいと思っています!

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三女が2歳になったばかりの頃、家族で訪れたとある天然石店の店長さんに占ってもらったときのこと。
この方、夫の友人で、占いが当たりすぎてこわい!と、ネットでも有名になっている店長さん。
生年月日だけで、ピタリピタリと言い当てます。

HSC(敏感すぎる子)という気質を持ち合わせ、場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)緘動(かんどう)を発症した長女。
また、同じくHSC気質、分離不安障害を持つ二女。
この頃、二人はすでに、それぞれ学校へ行かない選択をし、家庭を学びや育ちの基盤として過ごしていました。

三女にもやはり、感覚の過敏性を感じていましたが、姉たちに比べ育てにくさを感じる機会はあまりありませんでした。
「この子(三女)は、何か引っかかることがあると、納得してクリアするまで、かたくなに動かないですね~。だからなかなか前へ進めない。だけど、それが、この子だから!」
占いとは言え、かなり衝撃的な内容。
お姉ちゃんたちより、大変てこと…?

* *

確かに、三女には、姉二人にはさほど気にならない「こだわりの強さ」が見られました。
身に付けるもの、
食べるもの、
体に触れるもの、
行く場所、
見るテレビ番組、
遊ぶ道具、
などなど。

これらは、感覚の過敏性(HSC気質)によるところが大きいと思っていました。
しかし、三女はおもちゃの並べ方や置き場所など、感覚が関わらないようなことにもこだわりを持つことがありました。

こだわりの原因にはいろいろあると思いますが、不安の裏返しだとも聞いたことがあります。
コミュニケーションや感覚などに苦手がある場合、なるべく変わらない環境や状況を保つことは大きな安心材料になります。
そのため、周囲から見ればかなり限定されたこだわりを持つし、それが乱された時の状態はわがままとも見えるでしょう。

私は三人の娘の、それぞれの不安の形と、それを払拭しようとする安心の形を見てきました。
言葉と動きを封印した長女の場面緘黙症。
二女の確認作業。
三女はこだわり行動でした。

一年前の冬、私の住む地域では珍しい大雪の日。
初めての雪遊びをした三女は、やっぱり、裸足にサンダル。

そんな娘にそのわけを聞いてみたことがあります。
四歳になったばかりの娘の答えは、
「だって、そう決めてるんだもん!」

社会ではこの答えは認められないかもしれません。
「決めるのはあなたではありませんよ」
そう言われるかもしれません。

心を襲う不安から自分を守るための小さな抵抗は、集団生活の中では望ましくないものであるかもしれません。

見えない生きづらさや特性を持つ子供たちは、周囲の適切な理解や支援が遅れると、過剰なストレスやトラウマを抱え、二次的な問題(二次障害)を生じることがあります。
頭痛、腹痛、チックなどの身体症状や、不安、うつなどの精神症状などを引き起こし、不登校や引きこもり、自傷行為などに発展する可能性もあります。

そうでしかあれない子供たちのペースを守るため、特別支援という力を借り、集団の中で過ごすこともひとつの選択。
長女の就園就学の時には、私にはその選択しか思い当たらず、必然的にそのような支援を求めました。
しかし、すでに二次的な問題を抱えてしまっていた長女にはその選択は長続きしませんでいた。
二女も同じです。

そして、娘たちの中で唯一、就園そのものを経験せずに過ごす三女。
成長の真っ只中にある娘たちのこれからは、私にも未知の世界です。

* * *

挨拶もままならず人前で固まったり、自分で判断するよりも許可を求めて確認したり、自分のこだわりを曲げようとしない子供達を見て、
「幼稚園(学校)では通用しないよ~」
そんな思いが湧いてくることがないと言えば嘘になります。

でも、長女と二女の就園・就学の経験を経て、我が子たちにとっての生きる力は、
「だって、そう決めてるんだもん!」
にっこり笑顔でこう答えることのできる環境の方が、より豊かに育まれると信じるようになりました。

不登校、
ホームスクーリング、ホームエデュケーション、
アンスクーリング、
デスクーリングなど、
学校へ行かない状態を分類する表現は様々あります。

我が家がどれに属するか。
特にこだわりを持って選んだわけではありません。
いろんなことを試しながら、感覚的に私たち家族が手にした生き方。
子どもたちが、笑顔多めで、多様に学べ、育つことのできる環境を守りたい。
それが私の願いです。

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学校や園に行かず、家庭を主な学び、育ちの場として過ごす三人の娘の母です。
学校に「行けない」日々の末、「行かない」選択をした長女(13歳)、二女(10歳)。
そして、「園には行きたくない」としっかり主張した三女(5歳)。
そんな我が家の日常を、心を込めてお伝えしていきたいと思っています!
Instagramでも発信してます→@hohimaro
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船川 諒
WEBデザインと、記事の執筆&編集を担当しています。
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