kame cinema 05『ルー、パリで生まれた猫』
皆さんこんにちは。イラストレーターのkameです。
今回は猫好きの私にはたまらない作品、「ルー、パリで生まれた猫」をご紹介します。
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『ルー、パリで生まれた猫』
猫好きな人間ならば映画が始まってワンカット目で涙が出るでしょう。
わたしは泣きました。子猫があまりにもかわいくて。
子猫のかわいさにも慣れてきたころ、(慣れることなんてありませんが)
次に衝撃なのは動物たちのお芝居。
正直な話、多少CGなり使われているのだろうと思っていたのに、
そんな場面は一切なかった。登場する動物全てが本物の動物の「お芝居」でした。
すごい!これだけでも大興奮な映画でした。
わたしも猫と暮らしていますが(もう6年にもなる!あっという間!)
うちの子は完全に家猫です。
絶対に外には出さない。出てもベランダまで。
もし変な病気をもらってきたら、もし怪我をしたら、もし車に敷かれたら。
そもそも多分うちの子は自力で家には帰ってこれないと思います。
何不自由なく、怖いことも痛いことも何も知らずに幸せに暮らして欲しい。
そう思う反面、日本のこの狭くて小さなアパートで人間2人と猫2匹、
窮屈で退屈で幸せなのだろうか…と思うこともあります。
もしかしたら、外に遊びに行ったり暮らしたりしたいのかも…。
わたしたち人間は自由に外出しているけど、猫たちはずっと家に閉じ込めて。
これって幸せなのだろうか?わたしのエゴではないか?
家猫は何不自由なく暮らせるし、野良猫は広い世界で自由に暮らせる。
家で暮らすか外で暮らすか。
猫にとってどちらが幸せなのだろう。
猫好きなら一度は考えたことがある問題でしょう。
この映画はおおまかに言えばまさにその問題を描いていると思います。
そして少女と猫の物語を通して、家族の関係についても考えさせられる映画でした。
「ひとりじゃ生きていけない」と思っているのは親ばかりで、
子供には自分の意思があり自分で決断する力も持っている。
「大人になりたくない」とよくクレム(主人公)が言っていたけれど、
子供は大人が思っている以上にずっと大人だと思います。
「ほんわか癒され猫映画」だと思ったら大間違い。
共に生きるということ。自分の意思で選ぶということ。
そして、動物も人も変わらない絆。
クレムとルーに大事なことを教えてもらった気がしました。
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【公開中】
「ルー、パリで生まれた猫」(2023)
監督/ギヨーム・メダチェフスキ
脚本/ギヨーム・メダチェフスキ、ミカエル・スエテ
配給:ギャガ
作品の詳細はこちら
あらすじ
主人公のクレムはまだ10歳の少女。
両親の不仲に心を痛めていたがそんな彼女を癒してくれたのが、
屋根裏で見つけた子猫のルーだった。
ある日、ルーも連れて家族で訪れた別荘のある森で、
彼女は生涯忘れられないであろう出来事に出会う。