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解説!電車の中のアノ子はなんで独り言を言うの?〜統合失調症編〜

2019.02.22.Fri

解説!電車の中のアノ子はなんで独り言を言うの?〜統合失調症編〜

「電車の中でブツブツ話してるアノ子、ちょっとコワっ、隣に座るのヤメトコ。」
こんなこと経験ありませんか?
以前、こちらの記事でもご紹介しましたが、実は独り言が心の病気によって出てくることがあります。
今回はその中でも、特に統合失調症をピックアップして解説しちゃいます。

なぜ統合失調症のある人は独り言を言うのか?

統合失調症(とうごうしっちょうしょう)のアノ子

はたから見ると独り言。
だけど、わたし相手と話してるんです。
聞こえないはずのものが聞こえてるんです、わたし。
そうゆうことなんです。

統合失調症って何?

考えや行動、言葉などをうまくまとめられない状態が続くことを統合失調症といいます。

症状が強い場合には、症状と現実を区別したり、人とコミュニケーションをとることが一時的に困難になることもあります。

統合失調症には、3つの特徴があります。

  • (1)陽性症状

    正体不明の声が聞こえるのよ!お医者さんには幻聴って言われるけど…。
    そんなことが続くと、「誰かから監視されてる!」って思ったり、「盗聴されてる!」って感じたりすることもあって、これは妄想知覚っていうらしいの。

  • (2)陰性症状(心と体のエネルギーが低下する症状)

    やる気がおきないよ。絶望感でどうにかなっちゃいそう。他人と関わるのも嫌なの。あとは、感情が乏しくなるの。だから、無口や無表情、無関心になることもあるよ。

  • (3)認知機能障害

    頭の中がざわざわ忙しくて、集中できないのよ。段取りよく仕事するのがちょっと苦手になった気がする。

こうやって見てみると、わたしたちにとっては統合失調症の「症状」であっても、本人からしたら「突然聞こえてきた怖い声」なのかもしれません。

はて、これは、治るものなのか?

ストレスを溜め込まないような生活をして、必要なときにお薬を飲むことで、少しずつ症状は安定していきます。ほとんどの人が症状と付き合いながら日常生活を送っています。

統合失調症の原因は?

統合失調症の原因は今のところ特定されていません。神経伝達物質のバランスの乱れが関係している可能性が高いと言われています。

また、進学や就職など、十代後半から二十代にかけての人生の契機となるような変化がきっかけで症状の出ることが知られています。

どのくらいいるの?

統合失調症は、およそ100人に1人弱がかかる、とても身近な病気です。初めて症状が出るのは思春期前後ですが、四十歳を過ぎて症状が出ることも稀ではありません。

統合失調症は100人に1人

【最後に、もう一度】
なぜ統合失調症のある人は独り言を言うの?

「はたから見ると独り言だけど、わたし真剣に相手と対話してるんです。見えてるんです、わたし。聞こえてるんです、わたし。」
そうゆうことなんです。

統合失調症の私が独り言を言う理由

独り言を言う理由を知ると、
なんだか、見方が変わりませんかい?

監修の阿部先生

医療監修

川崎市立多摩病院 神経精神科阿部大樹 先生

UniversalMovement
湘南在住のライター。キーワードは、障害、人権、共生社会。Instagramを中心に共生社会を目指し情報発信をしている。
「障害がある人に対するネガティブなイメージ、世の中にありすぎやしませんか。UMはそのイメージをとことん壊していきます。」が活動モットー。SF映画と、ワインと、ねこちゃんが好き。
Instagramはこちら→@universal.movement