とある国際離婚〜訴えられた編〜/地球のウラ側の離婚後共同親権の国から!第6話
最近話題の「共同親権」って知っていますか?
これまで日本では、離婚後はどちらかの親が親権をもつ「単独親権」制度が採用されています。この単独親権制度をやめて世界標準の「共同親権」に変えるべきだという声を受け、法務省が離婚後共同親権の導入を検討している真っ最中。
現在、法務省でパブリックコメントを募集中ということもあり、さまざまなメディアで共同親権賛成派と反対派が議論しています。
でも、共同親権を導入すると、一体どんなことが起きるというのでしょう?
このコーナーでは、離婚後共同親権を導入している国・チリで国際結婚&離婚を経験し、現在はシングルマザーとしてチリで育児中のMarieさんに、ご自身の経験や同じ境遇の人々からお聞きした経験談を元に、マンガにしてもらいました。
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前回は、子供が嫌がっても合意書にある内容は必ず守らなければならないと書きました。面会だけではなく養育費に関しても合意書を守る必要があります。チリは家庭裁判所で離婚を成立させるのですが、その際に養育費を入金する銀行口座も作るように促されます。毎月この銀行口座に合意書で決められた金額の養育費を入金する必要があります。入金が確認されていない時には家庭裁判所が催促の手紙を送ることもあります。
ネズミは以前から養育費の不払いが続いていました。「養育費の支払いに怯えながら生活を送る事は出来ないから、養育費の銀行口座を無くして欲しい」とも言っていました。ネズミの一方的な要求を受け入れる事が出来なかったウサギ。ネズミの要求はエスカレートし、ついに法的にネズミがウサギを訴えるという事にまで発展しました。
ライタープロフィール
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Marie
南米チリ在住のシングルママ、イラストレーター、ライター。
小さい頃から、異文化に触れるのが好き。
チリで生活を送りながら出会う面白いこと、疑問に思うこと、悩むこと、色々な日常の体験を地球の反対側チリからイラストや文章にしてお送りします。
Instagram:@wanibeee
通知書には、養育費の値下げ要求と、ウサギは子供たちを連れて日本に出る事は今後許可しないという事が書かれていました。その内容は、まるで値下げの要求を受け入れないウサギへの嫌がらせのように感じました。いつしか子供を守るためのルールや父親の権利というのが、ネズミの要求を通す為の手段として使われているようにも感じました。
その後、お互いが弁護士を雇い裁判を進行させました。とっても精神的に疲弊する時間が流れました。結局裁判が終わるまでに1年半ほどの時間がかかりました。最終的にはウサギはネズミから養育費をもらわないという条件で、子供たちの親権を得てチリ国外へ自由に出る事が出来るという事で合意をしました。 納得がいかない部分もありましたが、脅迫や脅しメールにストレスを感じ続けたり、父親のその時の気分によって子供たちの将来が左右されないという安心感は、養育費をもらうよりも遥かに価値のある事だと思い、サインをしました。