とある国際離婚〜別れても我慢は続く編〜/地球のウラ側の離婚後共同親権の国から!第4話
最近話題の「共同親権」って知っていますか?
これまで日本では、離婚後はどちらかの親が親権をもつ「単独親権」制度が採用されています。この単独親権制度をやめて世界標準の「共同親権」に変えるべきだという声を受け、法務省が離婚後共同親権の導入を検討している真っ最中。
現在、法務省でパブリックコメントを募集中ということもあり、さまざまなメディアで共同親権賛成派と反対派が議論しています。
でも、共同親権を導入すると、一体どんなことが起きるというのでしょう?
このコーナーでは、離婚後共同親権を導入している国・チリで国際結婚&離婚を経験し、現在はシングルマザーとしてチリで育児中のMarieさんに、ご自身の経験や同じ境遇の人々からお聞きした経験談を元に、マンガにしてもらいました。
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前回チリでは子供たちが別れた親と会う権利を守る為、夫婦は離婚時に弁護士を通して合意書を作成する必要があると書きました。そんな背景もあり、チリにはごく普通に両方の親の元を行ったり来たりした生活を送っている子供たちが多くいます。
子供たちが両親の離婚後も、両方の親と関わりながら成長するというのは、とても良い事だと思うその一方で、そんな子供の権利を利用して、別れた後も別れた相手への嫌がらせを続ける元パートナーもいることも事実。チリは18歳で成人になるので、子供たちが18歳になるまで、そんな嫌がらせから逃れられず、苦しんでいるというケースも珍しくはありません。
今回は、そんなチリの離婚しても我慢が続く事情を漫画と共にお伝えします。
ライタープロフィール
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Marie
南米チリ在住のシングルママ、イラストレーター、ライター。
小さい頃から、異文化に触れるのが好き。
チリで生活を送りながら出会う面白いこと、疑問に思うこと、悩むこと、色々な日常の体験を地球の反対側チリからイラストや文章にしてお送りします。
Instagram:@wanibeee
円満で離婚が成立するケースの場合は、これはたいした問題ではないのかもしれません。しかし別れた後も現在進行形で何かトラブルを抱えている元夫婦にとっては、別れた後も暴言や脅迫などの暴力から逃げる事が難しい事があります。
合意書を作る際に、弁護士に元夫からの嫌がらせや暴言などがあると伝えても、単なる夫婦間の問題だと捉えられるので、「離婚の合意書とは関係がない」といって相手にはされないこともあります。DVを受けているといった確かな証拠(警察や病院などからの証明など)がないと、なかなか難しい場合があります。