とある国際離婚〜国を出たい編〜/地球のウラ側の離婚後共同親権の国から!第1話
最近話題の「共同親権」って知っていますか?
これまで日本では、離婚後はどちらかの親が親権をもつ「単独親権」制度が採用されています。この単独親権制度をやめて世界標準の「共同親権」に変えるべきだという声を受け、法務省が離婚後共同親権の導入を検討している真っ最中。
現在、法務省でパブリックコメントを募集中ということもあり、さまざまなメディアで共同親権賛成派と反対派が議論しています。
でも、共同親権を導入すると、一体どんなことが起きるというのでしょう?
このコーナーでは、離婚後共同親権を導入している国・チリで国際結婚&離婚を経験し、現在はシングルマザーとしてチリで育児中のMarieさんに、ご自身の経験や同じ境遇の人々からお聞きした経験談を元に、マンガにしてもらいました。
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みなさんこんにちは。前回の記事でチリの離婚について少しお話しましたが、今回は国際離婚で起こるかもしれない、リアルな現実についての話です。
子供がチリ国外から出る場合、結婚している場合でも、離婚した場合でも両親の許可が必要になってきます。許可証はノタリア(NOTARIA)と呼ばれる役所に行き、事前に作成します。その書類が無ければどんな理由があっても子供が国外に出る事は出来ません。
なかなかシビアな現実を日本ウサギと、チリネズミに例えてお話しをしたいと思います。
ライタープロフィール
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Marie
南米チリ在住のシングルママ、イラストレーター、ライター。
小さい頃から、異文化に触れるのが好き。
チリで生活を送りながら出会う面白いこと、疑問に思うこと、悩むこと、色々な日常の体験を地球の反対側チリからイラストや文章にしてお送りします。
Instagram:@wanibeee
離婚当初「大変だったらいつでも子供を連れて日本へ戻ってもいいよ」と言っていたネズミ。養育費問題の後、態度が急変し「どんな理由があろうとも、子供たちを連れてチリ国外から出る事を許可しない」と言う様になりました。
ちょうどコロナが酷く蔓延していた時期、チリ全土の学校は2年近く学校が閉鎖になり、ウサギの仕事量は減り収入も減った。チリでの生活が厳しくなり、日本へ帰る事を念頭に入れていた時にネズミから出国許可が降りなくなりました。
ネズミは養育費を払っておらず、子育てにも関わってはいない状態。コロナで1年以上チリは学校が閉鎖されて子供たちは学校に通えず、ウサギは収入が減り困っていました。子供2人を抱えながらの異国生活に限界を感じ始めているという状況。それでも、ネズミの「許可しない」という言葉は、どんな理由や現状よりも強いパワーを持って、ウサギに突きつけられたのでした。