とある国際離婚〜パパに会いたくない編〜/地球のウラ側の離婚後共同親権の国から!第5話
最近話題の「共同親権」って知っていますか?
これまで日本では、離婚後はどちらかの親が親権をもつ「単独親権」制度が採用されています。この単独親権制度をやめて世界標準の「共同親権」に変えるべきだという声を受け、法務省が離婚後共同親権の導入を検討している真っ最中。
現在、法務省でパブリックコメントを募集中ということもあり、さまざまなメディアで共同親権賛成派と反対派が議論しています。
でも、共同親権を導入すると、一体どんなことが起きるというのでしょう?
このコーナーでは、離婚後共同親権を導入している国・チリで国際結婚&離婚を経験し、現在はシングルマザーとしてチリで育児中のMarieさんに、ご自身の経験や同じ境遇の人々からお聞きした経験談を元に、マンガにしてもらいました。
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前回は、夫婦関係に暴力などの表面化していない問題があったとしても、子供が18歳になるまで合意書に書かれた内容を守らなければならない場合があると書きました。
離婚する前まで、ほとんど子育てに参加をしてこなかったネズミ(元夫)。合意書には、子供たちが泊まりで月に2回パパの家で過ごさなければいけないと書かれていますが、子供たちはどんな様子でパパの家で過ごすのか、心配しながら送り出す事も多くあります。家に帰ってきてから「パパの家で何をしてきたの?」と聞いてもなかなかちゃんと答えてくれません。
時々、子供たちが「行きたくない」と言う事もありますが、冗談で言っているのか、本気で言っているのか分からない時もあります。今回は、子供たちが面会の日に父に会いたくないと言った場合の話について漫画にしました。
ライタープロフィール
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Marie
南米チリ在住のシングルママ、イラストレーター、ライター。
小さい頃から、異文化に触れるのが好き。
チリで生活を送りながら出会う面白いこと、疑問に思うこと、悩むこと、色々な日常の体験を地球の反対側チリからイラストや文章にしてお送りします。
Instagram:@wanibeee
別の日、ネズミが子供たちを迎えに来た時、突然「養育費はもう払えない」と子供たちの前で怒り始めたネズミは「今日はもう子供たちを家に泊まらせない!」と一方的に言い放ち、勝手に帰ってしまう日もありました。その日の気分によって態度や言葉に波があるネズミ。合意書に決められた養育費の値下げ要求(不払い要求)をとにかくウサギに認めさせようと、あの手この手で嫌がらせをしたり、時には優しい言葉をかけて心配する様子を装ったりする事もありました。
子供を毎回ネズミの家に泊まらせるという事は、合意書で決められている事ですが、今まで子育てに関わってこなかった事に対する不安だけではなく、感情の不安定さなども不安な要因だったりもします。
それでも、はっきりと証拠がない不安要素は合意書の面会を取りやめにするほどの力はないのです。
次回は、あの手この手をつかってもなかなか、思う通りにならないウサギへ最後の手段に出たネズミの話です。