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東京チェンソーズについて書かれた2冊

チャリツモには、「これイイ本だなぁ!」と思った本を、みんなで持ち寄って作る本棚“これイイ本棚”があります。 ここではこの本棚に集まった本を、一冊ずつご紹介します♪

林業を知るきっかけに

みなさん、こんにちは。
今日は最近読んだすてきな本を2冊、ご紹介します。
どちらも“東京チェンソーズ”について書かれたものです。

東京チェンソーズは、東京都にある唯一の村、檜原村(ひのはらむら)にある林業事業体。
2006年にワカモノ4人が立ち上げた会社で、創業以来、新しい林業のカタチを切り開くチャレンジを続けています。

山をつくる(小峰書店)

1冊目の『山をつくる(小峰書店)』は、林業という仕事、業界が直面する問題、衰退産業と言われながらもワカモノを引きつける林業の魅力や、チェンソーズが仕掛けた様々な取り組みについて書かれています。
小中学生でも読みやすい本ですので、林業に触れる最初の1冊としてオススメです。

今日も森にいます。東京チェンソーズ(徳間書店)

もう1冊の『今日も森にいます。東京チェンソーズ(徳間書店)』は、29歳で東京チェンソーズを立ち上げた代表の青木亮介さんのドキュメンタリー。
斜陽産業に飛び込んで、新しい道を開拓していくという彼の生き様。その原点として、彼が東京農大で所属していた探検部のエピソードが紹介されているのですが、これがまた、ワクワク&ドキドキさせるとともに、ビジネスのなかでも活かせる学びがたくさん詰まっていて、興味深く読みました。

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日本の林業について

そもそも、日本は国土の3分の2を森林を占める森林大国。そのうち4割ほどが、木材となる木を育てるために人が作り出した“人工林”です。
自然の森と違って、人工林は人が手を入れ続けないといけません。間伐などのメンテナンスを怠ると、地盤が弱くなり土砂崩れなどの災害が起きたり、雨水の浄化能力が落ちて水質低下につながったりするのです。
しかし、時代とともに木材価格が下がり、儲からなくなった林業からはどんどん人が離れてしまいました。
豊かな森と私たちの暮らしを守るために、林業を持続可能な“儲かる産業”にしなくちゃいけない。
そんな社会的なミッションを背負っている東京チェンソーズですが、その取り組みは実にユニーク。今までにない視点で、既存の価値観をひっくり返すようなアイデアの数々は『山をつくる』に丁寧に紹介されているので、ぜひお読み下さい。

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さいごに

ちなみに、今、東京チェンソーズの新しい試みが始まろうとしています。
それが先日、11月3日にオープンした「檜原 森のおもちゃ美術館」です。
おもちゃ工房も隣接する、木のおもちゃの美術館で、檜原を“木のおもちゃのまち”にしようという、地域を巻き込んだ壮大な構想の拠点となる場所。

お手本にするのは、木のおもちゃで有名なドイツのザイフェン村。人口3,000人のうち2,000人が木のおもちゃづくりに従事していて、クリスマスシーズンには世界中からバイヤーが集まる木のおもちゃの聖地のような場所です。
東京でとれた木材に、東京の職人が命を吹き込んだ純・東京産の木のおもちゃ。それが、ザイフェンのおもちゃのように、世界中で愛される日が来るかもしれません。

東京チェンソーズ→https://www.facebook.com/tokyochainsaws
檜原 森のおもちゃ美術館→https://www.facebook.com/HinoharaToyMuseum

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